新型コロナウィルスの感染拡大による、緊急事態宣言を受けて、現在放映中のテレビアニメ『ヒーリングっど プリキュア』(テレビ朝日系)、『デジモンアドベンチャー:』(フジテレビ系)、『ONE PIECE(ワンピース)』(フジテレビ系)が4月26日以降の放送が延期されることが発表された。放送中断の間には、別の作品や過去回の再放送で対応するという。
これまでも感染拡大の要因となる、人の密集を避けるべく、新作劇場版アニメの公開延期が発表されてきた。ここにきてコロナの影響は、現在放送中のテレビアニメにまで及んできたというわけだ。
今、アニメの現場に何が起きているのか。音響制作会社スタッフは、こう話す。
「緊急事態宣言以降、アニメの収録関係はほぼ行われていない状態です。というのも日本音声製作者連盟(通称:音声連)と日本声優事業社協議会(通称:声事協)というアニメ制作に関わる2団体より、収録を控えて欲しいという通達があったからです」(音響制作会社スタッフ)
一部報道では、中国において新型コロナの終息が伝えられている。日本のアニメ制作は、中国に依存している部分が大きいとされているが、その影響は。
「日本から中国への渡航が、はばかられていることに変わりありません。作画の技術的な打ち合わせとなると、リモートで対応するにしても限界があるのですが……」(前出・音響制作会社スタッフ)
今後、日本のテレビアニメはどうなっていくのだろうか。
「現在放送しているアニメのストック分を考慮すると、今年の秋以降に放送予定だった部分に甚大な影響があるのではないかと予想されます。また新作アニメの本数が減るのも秋以降。当然、再放送も増えていくのではないでしょうか」(前出・音響制作会社スタッフ)
今や日本のアニメは子どもに夢を与えるではなく、大人にとっても娯楽のメインストリームとなっている。日本が牽引してきたサブカルチャーは、ウイルスの災厄によってこのまま潰えてしまうのだろうか。
「現状はたしかに大変ではありますけど、アニメの分野で、皆さんにいいものをお送りしたい気持ちに変わりはありません。今後もアニメを作っていくつもりです」(前出・音響制作会社スタッフ)