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自粛生活が徐々に解除され、「アフター・コロナ」の世界へ向けて。世の中の価値観や働き方が見直されるなか、私たち女性はどう生きるべきかーー今こそ新たな視点を持ち、主体性を持って発言・行動するときです。そこで、コロナの時代を生き抜く女性たちへの提言。

 

■日本オリンピック委員会理事・山口香さん(55)

 

「今まで当り前だと思っていたものが本当にそうなのか? コロナ禍は、それを立ち止まって考えるきっかけを与えてくれました」

 

そう話すのは、日本オリンピック委員会理事の山口香さん。

 

「今回、家族と過ごした時間はストレスを感じる一方で、対話の時間が増え、関係が深まることもあったはず。暮らしとしては、どちらがあるべき姿なのでしょう。それはオリンピックについても同じこと。“世界中の人が顔を合わせることでお互いの理解を深め、世界平和に貢献する”というのがその理念ですが、もし来夏もまだ世界のどこかでウイルスが流行していたら? その人たちに『来ないで』と言うのは理念に反するのでは? また、世界中が容易に行き来できる現代において、オリンピックの意義は何なのか? 選手のためにもなんとか開催したい、と思う一方で、日々そんなことを考えています。そして、考えたことは率直に発言してみる。組織においては、男性のほうが空気を読むのがうまく、流れに逆らい異を唱えるのを躊躇しますが、女性は案外、空気にのまれません。だから、『またおまえか!』と言われつつも、発言できるのは強みかもしれませんね」

 

山口さんは、「日本の女性はこれまで、自分を二の次にして、家族のため、誰かのためにと生きてきた人が多いと思います」と語る。

 

「でも、これからは思いを口にし、行動する。個で考えるのであれば、夫の書斎や子ども部屋と同じように、女性も自分の部屋を持つ時代になっていく。今が自立への第一歩ではないでしょうか」

 

「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載

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