コラボ商品をPRする長州力さん(右)と沖縄ファミリーマートの平良良勝常務=3日、那覇市港町の同社 画像を見る

 

沖縄ファミリーマートは元プロレスラーの長州力さんとコラボレーションして開発した商品4品を3日、発表した。

 

長州さんといえば「#」を「井」と間違えて「ハッシュドタグ 井長州力」とつぶやくなど、ツイッターでの独特な言い回しが話題となっている。

 

今回の商品名にはツイートの内容にひっかけたものも。7月7日から27日まで、3週間限定で沖縄県内のファミリーマートで販売する。

 

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沖縄のコンビニと元プロレスラーという異色のコラボは長州さんのこんなツイートから始まった。

 

「コンビニエンスのファミリーマートにあるナゲットなチキン、コーヒーマシンは沖縄のファミリーマートから生まれたそうです!?そう武田くんからききました」(2019年12月28日)

 

「武田くん!敬司とかにハブを捕まえさせて泡盛の中にそれをぶん投げて10年漬けたものをファミリーマートで売ったら意外といけるんじゃないかな!?」(2020年1月6日)

 

プロレス好きの社員が多いという沖縄ファミマ。「以前から長州力さんとコラボするのが夢だった」という社長付特命部長の比嘉智さんはこのツイートを見て「アタックするしかない」とすぐに長州さんに正式オファー。話はトントン拍子に進んだ。

 

オファーを受けた長州さんは「まさかファミマから!」と驚いたというが、比嘉さんは「長州さんが受けてくれたのは沖縄に行きたいというのが一番の理由だったのではないか」とみる。

 

コラボにあたり、長州さんは1月下旬から2月上旬にかけて沖縄に滞在。沖縄の文化や食を体験し、商品のアイデアを練った。そこで生まれたアイデアが、ケチャップとマヨネーズを1:1で混ぜた「秘伝のタレ」を揚げた餅に付け、スパムと海苔を乗せたものや、肉とスパムでご飯をサンドしたもの。それらをファミマの商品開発チームにプレゼンした。

 

「革命的な提案でおいしかった」というが、工場で作ることができず商品化には至らず。しかし、このときのアイデアからスパム、肉、チャーシューというキーワードが出てきて、今回の4品につながった。

 

■いよいよお披露目!が一転…

 

企画スタートから半年近く―。長州さんが自慢の4品を沖縄で紹介する予定だった。 しかし、記者会見前日の7月2日、事態は一転する。

 

東京で新型コロナウイルスの感染者が100人以上確認されたため、沖縄ファミマと長州力さんサイドは対応を協議。長州さんの来県を取りやめ、東京と沖縄の会見会場をつなぐオンライン会見とすることにした。

 

3日朝。ファミマ広報が、報道陣向けに長州さんの来県をとりやめとオンライン会見開催を伝えるために送ったメールにはこんな一文が。

 

滑舌の悪さで有名な長州さんと、果たして画面越しでの対話が成り立つのか、いささかの不安はございますが、常に逆境に向かっていった「革命戦士」に見習い、私共一同、コロナ対策に万全を期しつつ、皆様に元気を届ける企画発表会とさせていただきます。

 

そして午後2時。会見が始まった。司会の比嘉さんは「オンラインのせいか、本人の滑舌のせいか、もしかしたら聞き苦しいところがあるかもしれません。十分に聞き取れないところもあるかもしれませんが、時間がたち、慣れるころには自分の滑舌も悪くなっています」と前置き。笑いを誘った。

 

長州さん本人の明言「形、かえるぞ!」の言葉通り、変則的な記者会見だったが、画面越しでも長州さんはパワーを届け、商品をアピールした。そして長州さんが会見で一番強調したことは、次のことだった。

 

「沖縄に行くことを楽しみにしていた。でも今沖縄に行って県民に迷惑はかけられない。今日はこんな形で申し訳ないが、本当に沖縄が好きだから今は自粛する。次に行くときは孫も連れて行きたい」

 

長州さんはユーチューブチャンネル「RIKI CHANNEL」で「ファミリキTV(仮)」と題して今回のコラボの模様を配信している。

 

(玉城江梨子)

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