「全力でぶつかる」と誓う宮古連合チームの佐久間一晟(右)と大晟=2日午後、宮古総合実業高校グラウンド 画像を見る

 

中止となった全国高校野球選手権沖縄大会の代替となる2020県夏季大会が4日、いよいよ開幕する。甲子園大会の中止から気持ちを切り替え、選手らは気持ちを高ぶらせて特別な大会に挑む。

 

【宮古島】「勝って少しでも長く一緒にプレーしたい」。真っ黒に日焼けしたうり二つの顔がそろって照れ笑いを浮かべる。宮古島市伊良部で生まれた双子の球児、佐久間一晟(兄・宮古工業高3年)と大晟(弟・宮古総実高3年)は、4日開幕の県高校野球夏季大会に宮古工・総実の連合チームで出場する。「二人で臨める最後の大会。全力を出し切る」と声をそろえた。

 

中学までともに歩んだ兄弟は高校で分かれ、甲子園を目指すライバルになった。一晟がピッチャー、大晟は内野手としてレギュラーをつかみ、高校2年の秋、再びチームメートになった。総実の野球部員が足りず宮古工と合同で活動することになった。

 

「ともに夢を目指せる」と燃えたが甲子園は中止。大晟は「想像もしていなかった」と振り返り、一晟は「野球をやめようと思った」と明かす。夏季大会開催が「本当に救いになった」とそろって白い歯をみせた。

 

姿形は同じでも、それぞれ強みは違う。一晟はエースに成長。コントロールを生かした投球で、ゴロの山を築く。大晟は堅守を誇り、しなやかな打撃が特徴のアベレージヒッターになった。

 

二人の最後の夏が始まる。4日の初戦の相手は中部農林だ。兄弟は「悔いを残さず、全力でぶつかる」と誓った。
(佐野真慈)

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