米ミシガン州のメアリー・エレン・ブレナン判事が下した“ある決定”が物議を醸している。NBC Newsなどが報じた。
5月から少年矯正施設に収監されている15歳の黒人少女。ミドルネームの「グレース」で呼ばれているこの少女は、「宿題をしなかった」ために施設へ送られたとしてその処遇が広く耳目を集めていた。
20日、公聴会に出席したグレースは「ママに会いたい。自分をコントロールできます。従順でいられます」と主張し釈放を求めた。だが、ブレナン判事は施設に引き続き拘置することが彼女にとって最善の利益になると判断し、これを却下。
グレースは一体何をしたのだろうか。
彼女はこれまでに何度も母親と諍いを起こしており、そのたびに警察が出動する騒ぎとなっていたという。判事は拘留を続ける理由としてこうコメントしている。
「彼女は“宿題を提出しなかった”から拘留されたのではありません。母親にとって彼女が脅威となるからです。現在、メンタルヘルスや怒りをコントロールする治療を受けていますが、まだ母親のもとへ戻る準備はできていません」
ProPublicaがグレースの母親に行ったインタビューによると、グレースはADHD(注意欠陥多動性障害)で問題行動が多く、その対処に苦労していたという。4月には暴行と窃盗で罪に問われたが、自宅に留まり学業を疎かにしないこと、電話を使わないことなどを条件に、保護観察処分となっていた。しかし、オンライン授業の出席率は低く、課題も提出しなかったために保護観察の条件に違反しているとして矯正施設へ収容されるに至ったのだ。
ブレナン判事の決定に、グレースの母親は「もしグレースが15歳の白人だったら施設になんて入れられていない」と発言。地元の住民や学生も、グレースが釈放されないのは人種差別だとして抗議集会を開いている。次の公聴会は9月に行われる予定だという。