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「天皇陛下のご理髪を担当してまもなくのことです。シャンプーの方法についてお尋ねがあり、私が丁寧にお伝えすると、陛下はたいへん喜んでくださいました」

 

そう語るのは、1882年創業のサロン「ヘアドレッシングOHBA」の4代目の大場隆吉さん。

 

大場さんは’07年から約10年にわたって上皇陛下(当時は天皇)と天皇陛下(当時は皇太子)の御理髪掛を担当。東宮御所の改修工事が行われていた’08年ごろの1年間は、天皇陛下が大場さんのサロンに通われていたこともある。

 

「天皇陛下は当時、ご病気(十二指腸ポリープの手術)をされたこともあり頭皮が硬く、御髪がいつもよりも少し細くなっていました。肩や首のこりもおありで、日々のお務めへの責任感や忙しさが原因のように感じました。

 

そこで陛下に、少しでもお楽になればと頭皮ケアについてご提案したところ、了解くださり、私の『セルレーション』という“触れる施術”を受けていただきました。以後、ご用のあるごとに陛下のお時間の許す限りご所望いただき、終わるといつも『頭がスッキリして疲れがとれました』と笑顔で声をかけてくださいました」

 

現在も上皇陛下の弟・常陸宮さまの調髪を担当し、信頼をいただいているという。実は大場さんはヘアだけでなく、30年前から大場家の伝統である「触れ方」を進化させ、頭皮についての研究を続けている“抜け毛対策のスペシャリスト”でもあるのだ。

 

そんな大場さんのもとに、新型コロナウイルスの感染拡大以降、相談の電話、ホームページへのメールが増えているという。

 

「緊急事態宣言が出されてしばらくしてからでしょうか。中高年の方だけではなく『10代の息子の抜け毛が心配』というお母さんからの電話や、テレワーク中のビジネスマンや若い世代の女性からも抜け毛に悩む相談が多くなったのです。老若男女を問わず“コロナ抜け毛”と呼ぶべき症状が現れていたのです」

 

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