東京五輪・パラリンピック組織委員会は28日、聖火リレーの都道府県別の日程を発表した。1年延期された東京五輪に向けた聖火リレーは従来日程を1日前倒しする以外に大きな変更はなく実施されることになる。沖縄県内のルートや選定聖火ランナーについて、県実行委員会は「(日付以外は)基本的に従来の枠組みを変える予定はない」と説明。ランナーに選ばれていた関係者は「予定通り実施されることになり一安心している」と喜んだ。
走者は2日間で約170人を予定している。初日は那覇市にある世界遺産で昨年正殿などが焼失した首里城公園を出発。「ゆいレール」を使った聖火リレーの後、宜野湾市から石垣市内の区間を挟んで、沖縄本島を縦断するように各地域を進む。1964年の東京五輪の聖火宿泊記念碑が建立されている名護市嘉陽地区もルート。
2日目は豊見城市の沖縄空手会館から座間味村、宮古島市を経て、終着点となる糸満市摩文仁の平和祈念公園を目指す。
首里城公園と空手会館での出発式や到着地点の名護市や糸満市で、聖火を披露するイベント「セレブレーション」も予定通り行う。
聖火は出発式の後、1区間を数人から十数人の走者でつなぐ。距離は1人当たり200メートルほど。離島では「親の火」に代わり、あらかじめランタンで運ばれた「子の火」でリレーする。
県実行委は「聖火ランナー本人の都合、ルートについては新型コロナウイルス対策や工事などで今後調整や若干の変更が出てくる可能性はあるが、運営は従来通りに進めることになるだろう」と話した。聖火ランナーに選ばれた陸上クラブ「アスリート工房」の譜久里武代表は「夢だった。実施されることはうれしい」と歓迎した上で「新型コロナで当たり前だったことがそうでなくなった。競技参加もなかなかできなくなっている。その中でスポーツの素晴らしさ、大切さ、ありがたさを感じながら走りたい」と思いを語った。