埋め立てや護岸工事が進められる新基地建設現場=名護市辺野古 画像を見る

 

【東京】菅義偉首相は26日に国会で実施した所信表明演説で沖縄の米軍基地問題について「抑止力を維持しつつ、沖縄の基地負担軽減に取り組む」と述べた上で「普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するため辺野古移設の工事を着実に進める」との考えを示した。前任の安倍晋三前首相が最後の施政方針演説で触れなかった米軍普天間飛行場の返還問題を取り上げた。

 

直近の1月に行われた安倍前首相の施政方針演説では、2014年以降の演説で取り上げてきた「辺野古」「普天間」に言及しなかった。しかし菅首相は改めて普天間飛行場の辺野古移設を進める姿勢を鮮明にした。また、16年までに部分返還された北部訓練場について「沖縄の本土復帰後最大の返還」と説明し、安倍政権下の14年から官房長官と兼務した沖縄基地負担軽減担当相としての成果を強調した。

 

一方、ずさんな配備計画が明らかになったことで事実上の白紙撤回に追い込まれたイージス・アショア配備計画の「代替策」については「議論を進め、あるべき方策を取りまとめる」と述べるにとどめた。

 

安倍前首相は退任前の9月、次期政権にミサイル阻止に関する新たな方策を年内に取りまとるよう求める異例の談話を発表していた。「談話を踏まえる」としたが、取りまとめの時期は明示しなかった。

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