第32軍司令部壕の説明板=那覇市の首里城公園 画像を見る

県は22日、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の初会合を県自治研修所で開いた。委員からは保存・公開へ向けて前向きな意見が出た。委員らとの懇談会で玉城デニー知事は、平和教育の場として最大限に活用したいとの考えを示した。玉城知事は検討委員会の提言を受け止め、予算化についても検討する考えを明らかにした。

 

初会合では沖縄戦研究など学術分野と、地盤工学など技術分野の委員10人が一堂に会した。各分野の専門家による検討委員会は初めてで、法律分野の玉城辰彦弁護士が委員長に選出された。県がこれまでの経緯を説明し、委員が意見を述べた。トンネル工学が専門の小泉淳早稲田大名誉教授は、壕内の掘削が容易であるとの認識を示し「どのような形で保存するのかというところが一番大事だ」と述べた。

 

南風原文化センター元館長の大城和喜さんは、沖縄陸軍病院南風原壕群を日本で初めて第2次世界大戦の戦争遺跡として町文化財指定した経験を説明。「保存に最良の方法は文化財指定をすること」として、司令部壕の文化財指定を提案した。沖縄戦研究者の吉浜忍元沖縄国際大教授は未発掘部分の発掘調査を求めた。

 

今後の進め方も確認し、委員会を公開することで一致した。次年度にかけて5回程度開き、県への提言をまとめる。次回は3月29日に開催し、文化財指定に向けた課題を議論する。

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