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基礎代謝の実に3割近くを担う肝臓。この重要な臓器をやさしくマッサージすることで、さまざまな不調を和らげることに加え、やせやすい体質もゲットできてしまうそうーー!

 

「寒い季節に、私たちの免疫力は低下しがちです。免疫力と肝臓の働きは密接に関係していて、肝臓が元気だとやる気がみなぎり、免疫力も上がりますが、肝臓が疲れていると体調も優れなくなってしまいます。まだまだ寒い日が続くこの時季こそ、肝臓を元気な状態にしたいですね」

 

アスリートゴリラ鍼灸接骨院の院長・高林孝光さんはそのように話す。

 

「肝臓の働きのうち、特に重要なのは、(1)栄養の代謝、(2)解毒、(3)胆汁の分泌、の3つです。肝臓は、私たちの食べたものから糖質、脂質、タンパク質などの代謝を促進し、有害物質を解毒して無害化してくれます。さらに、脂質の消化・吸収を助ける胆汁を分泌しています」(高林さん・以下同)

 

肝臓が疲れ気味になり、いわば“疲労肝”の状態でいると、倦怠感、不眠、肌荒れ、むくみ、冷え、食欲不振、イライラなど、さまざまな体の不調を招き、さらには老化の促進をも招いてしまうことになるのだそう。

 

「肝臓は、内臓の中でも多くの血液が集まる場所で、仮に一部を切り取ってもまた再生するというほどの生命力があります。血液が集まる箇所であるぶん、温度もほかの臓器より5度ほど高く保たれているという特徴もあります」

 

そのことから、肝臓を温めて血液の流れをよくすると、全身の血流も活発になって体温が上がり、冷え解消、免疫力のアップが期待されるのだという。

 

「また、ほとんどの内臓は肋骨や筋肉で覆われているため、肌の上から触るのが難しいのですが、肝臓の一部は触れることができるのです。簡単なマッサージをするだけで、肝臓の血流を改善することにつながります」

 

高林さん考案の「肝臓マッサージ」は3種類を1セットで行う。

 

「前提として気を付けていただきたいのは、デリケートな臓器ですから、決して強く押したり、圧迫しないでください。衣服の上から“やさしくなでる”くらいがちょうどよい加減です」

 

肝臓の、肋骨に覆われていない部分を、まずはやさしくさすることからはじめよう。

 

【ステップ1】肝臓さすり

右の肋骨のキワに手のひらを当て、心地よい程度の強さで20秒間さする。

 

【ステップ2】肝臓ローリング

右の肋骨のキワに親指以外の指を軽くひっかけるように当て、30秒円を描くように軽くなでる。

 

【ステップ3】肝臓ポンピング

両手を組み、右の肋骨の下半分を挟み込むようにする。組んだ手の力を入れたり抜いたりして、ポンプのように10秒動かす。肋骨が少し動くくらいの強さで。

 

【ステップ1】〜【ステップ3】の順に行っても、1分程度でできてしまうお手軽なマッサージだ。肝臓マッサージするのは、入浴後や就寝前が望ましいという。入浴後の体が温まってリラックスした状態で行うと、快眠につながるというメリットも得られるそうだ。

 

また、マッサージをするのは2日に1回程度でOK。毎日行うと肝臓に負担がかかってしまうためだという。かえって肝臓を疲れさせてしまうことのないよう、くれぐれも注意しよう。

 

高林さんが診察をした患者さんにこれらのマッサージを実践してもらったところ、頭痛や肩こり、腰痛などの痛みが和らいだほか、冷え性が改善した。血色がよくなった、イライラが抑えられるようになった、といった声が寄せられたという。

 

マッサージのほか、肝臓の位置に使い切りカイロを当てて温めることも血行改善に効果があるそうだ。また、意外なことに、肝臓マッサージにはダイエットの効果も期待できるのだとか。

 

「実は、肝臓は基礎代謝のうち全体の27%を占めるともいわれている臓器です。これは脳(19%)、筋肉(18%)、心臓(10%)、腎臓(8%)と比べてもダントツです。肝機能を元気にさせると、基礎代謝がよくなるため、やせやすい体質につながるのです。実際に、私のところに通院する患者さんのなかには、肝臓マッサージを続けて15キロ減量できたという人もいらっしゃいました」

 

健康面でのメリットに加えて、やせやすい体質になれるなんて、至れり尽くせり! 私たちの体を支えてくれる大切な臓器をやさしくマッサージして、全身のコンディション向上につなげよう。

 

「女性自身」2021年2月23日号 掲載

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