82年のレコード大賞で見事、最優秀新人賞を受賞 画像を見る

住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代に夢中になったアイドルの話。同世代の女性と一緒に、“あのころ”を振り返ってみましょうーー。

 

中森明菜、小泉今日子、早見優、堀ちえみら“花の’82年組”と呼ばれる“同期”のアイドルたちのなかでも、女子に圧倒的な人気を誇ったのが、シブがき隊。

 

「ジャニーズ事務所の“兄貴分”にあたるたのきんトリオは、『金八先生』をきっかけに、それぞれに活躍している田原俊彦さんや近藤真彦さんが集まった、ユニット的な要素が強い。テレビ番組で一緒になることはあるものの、基本的にはソロ活動が中心でした。“弟分”である少年隊は、ダンスも歌もハイレベルで、歌詞の内容にも大人っぽさがあったので、当時、子どもではちょっとマネしづらい部分がありました」

 

そう語るのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(53)。シブがき隊は、そんな“兄弟”たちの中間にあたる立ち位置が魅力だったと牛窪さんは分析する。

 

80年代風靡したシブがき隊、専門家語る“独自の立ち位置”
画像を見る 『新宿音楽祭』金賞を祝うパーティーにかけつけた”兄貴分”のたのきんトリオと

 

「『NAI・NAI 16』や『100%…SOかもね!』『スシ食いねェ!』など、とにかく子どもがマネしやすい楽曲も特長です。そして、デビュー当時からずっと“隊”としての活動が中心で、戦隊ヒーローのように、バランスよく個性がまとまっていました。ヤックンは正式にはリーダーではありませんが、センターになることが多く、しっかりもので、グループのまとめ役。とくに年上のお姉さん方が応援したがるタイプでしたよね。モックンは、とにかくイケメン。私自身、最初に見たとき“こんなカッコイイ人がいるんだ”と、びっくりしました。それでいて、ボケたりするようなカワイイ側面もあって、全世代の女性をとりこにしたのです。フックンは、たのきんでいえばヨッちゃんの立ち位置。ヤックン、モックンのファンとは少し異なる目線を持ち、“私はほかのコとは違うのよ”“フックンのよさは、わかる人にしかわからない”と、ツウな女性を取り込みました」

 

それぞれのファンが対立しなかったことも、注目すべきポイント。

 

「たとえば“新御三家”の場合、『秀樹は○○だから』『ひろみなんて××よ』と、私(秀樹ファン)も含め、ファン同士が競うこともありましたが、シブがき隊はそれぞれの役割が違う、また、メンバーにも“オレが、オレが!”とほかを押しのける雰囲気がまったくなかった。いかにも仲がよさそうなグループだったんです」

 

そうしたほんわかした雰囲気のなかで生まれた、ファン同士の“ゆるつながり”が、グループとしての人気を支えたのだ。

 

「女性自身」2021年3月2日号 掲載

マーケティングライター、世代・トレンド評論家

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