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琉球大学とバイオベンチャー企業のマイテック(神戸市)は15日、新型コロナウイルスを可視化し、感染の有無を最短2分で判定できる検査法を開発したと発表した。光の増強効果を生かして、通常の顕微鏡での検査を可能にした。今夏に予定される東京五輪・パラリンピックまでに実用化したい考えで、空港の検疫所やイベント会場など、人出が多い場所での検査を見込んでいる。

 

感染の有無を確認する従来のPCR検査は遺伝子の増幅に数時間かかり、抗原検査もPCR検査に比べて感度が低いとされ、一度に大量の検査ができないなどの課題がある。

 

開発された検査法は、光がミラーボールの反射のように増強されるマイテックの技術を活用する。光の増強効果がある量子結晶の試薬と、新型コロナウイルスに反応する抗体を付着させたチップを準備し、検査を受ける人の唾液や鼻くうから採取した検体に蛍光物質を混ぜ、チップにたらす。

 

ここまでを最短2分で済ませることができる。感染している場合は、ウイルスに付着した蛍光物質が、増強効果によって通常の顕微鏡でも確認できる。これまで2回の試験で、感染者と非感染者の計175人の検体を扱い、72~94%の割合でPCR検査の陽性の判定と一致した。

 

15日の共同記者会見で、琉球大学大学院医学研究科の金城武士助教(46)は「これまでウイルスを可視化して診断しようというアイデアはなかった。迅速、簡便で一度に大量の検査ができ、多くの患者をいっぺんに診断する状況には非常に有用だ」と強調した。

 

現段階では手作業の過程があり検査に2分余の時間を要するが、自動検査機器を製品化し、2分に短縮することが可能だという。製品の開発費に数千万円かかり、その確保が課題となる。実用化した場合、1検体で5千円程度の検査費用を見込み、さらなる低減を目指す。

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