《前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん ステージ4って言うとね、もう横綱ですよ。だけど強くはない、強くはない…後がないんだ》
5月12日、前立腺がんを治療するため、オーストラリアに渡ったことを自身の公式YouTubeチャンネルで明かした、西郷輝彦(74)。
「西郷さんは’11年に前立腺がんの全摘手術を受けました。’17年に再発して以降、11回もの放射線や抗がん剤などの治療を続けてきました」(スポーツ紙記者)
だが、ここにきてPSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーの数値が急上昇し、主治医と相談した結果、シドニーで最先端治療を受ける決断をしたと明かす西郷。
《願いはただひとつ。なんとかもう少しだけ好きな仕事をさせてほしい》と悲痛な表情で訴えていた。
彼が渡豪してまで選択した最先端治療とは、どんなものなのか。前立腺がんに詳しい宇都宮セントラルクリニックの佐藤俊彦理事は言う。
「現在、前立腺がんは男性が罹患するがんの第1位です。西郷さんのケースでいう最先端治療は、ルテチウム-177PSMA-617と呼ばれる新規標的放射線療法です。日本ではまだ未承認なので海外で受けなければなりません。
簡単に説明すると、前立腺がんによって出てくる特殊なタンパク質のPSMAに放射性物質のルテチウムを結合させることで、PSMAを発現している細胞=がん細胞だけを狙い撃ちすることができる治療法なのです。
静脈に薬剤を注射します。がん細胞に集まった薬剤が体内で放射線を出すことによって治療する内用療法です。画像診断によって、リアルにがんの状態を診ることができるのです」