2022年の映画公開も決まったドラマ『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)では、窪田正孝演じる主人公たちが勤める病院の新院長・灰島将人を好演した高嶋政宏(56・高ははしごだか)。
コロナ禍以降も話題作への出演が続いているが、この2年間はやはり、俳優として思いがけない変化に悩まされることが多かったという。3年前に発売した著書『変態紳士』(ぶんか社)で明かされた超個性的な趣味の数々も、当たり前に続けることは難しくなっている。
緊急事態宣言の開けた年の瀬、そんな高嶋氏のざっくばらんな話を聞くことができた。グルメで知られる彼が予約した、高田馬場の焼肉店『たれ山』にて。
――2020年の春、最初の緊急事態宣言が出た頃はどのような感覚でしたか?
映画の撮影も舞台の稽古も、すべて一度中止になりました。実は僕は「コロナなんて本当にあるのか? デマじゃないのか?」とコロナの存在自体を疑っていたのですが、妻のシルビアが出演予定だった舞台の仲間が感染したり、周りの芸能人でも感染が出始めたりして、だんだんと怖くなってきました。
PCR検査や抗原検査は受けていたので、陰性だと頭ではわかっていましたが、家にこもっていたらどんどん不安になって、一度やる気がゼロになりました。人と喋らないと、きちんと二酸化炭素を吐かなくなるので、調子が悪くなるんですよね。コンビニにも行けないほど、家に引きこもっていました。
――そんな“おこもり生活”中は、どのように過ごされていましたか?
コロナ禍になる前、ショップジャパンの電気圧力鍋『クッキングプロV2』を購入していたんです。100種類ほどレシピが内蔵されているので、最初から順番に作ってみました。
ポトフを作ったときには、「10分かからずに、じゃがいもがこんなに柔らかくなるなんて!」と感動しました。牛のブロック肉が好きなので、ビーフシチューも作ってみましたが、肉が柔らかくなっているばかりか、脂身もトロトロになっていて絶品でした。男は料理ができないとダメだなぁと改めて感じましたね。
――材料はどこで調達を?
無農薬の野菜をお取り寄せしていましたが、毎日自宅でご飯を食べるとなると、さすがに急に必要になる材料もあって、ネットショッピングだけでは間に合いません。決死の覚悟といった感じでスーパーに行きましたね。
コロナが気になるので、帰ってきたら買ってきたものはすぐには触らず、しばらく置いておきます。そして、自分は帰宅後すぐに着ているものをすべて脱いで、シャワーを浴びるんです。部屋の中に入るときは全裸が基本です。この習慣は今も続いています。
――昨年の緊急事態宣言解除時には、すぐにやる気は戻ってきましたか?
2カ月間、仕事が休みになったので、撮影が再開するというときには嬉しくて奮起しましたね。手や足裏の消毒とフェイスシールドをしてリハーサルしていました。待ち時間もマスクをしていないと、すぐにスタッフが飛んできて「マスクをしてください!」と注意されるなど、現場も感染対策にかなり気を遣っていました。
PCR検査は仕事ごとにお願いされるので、毎週のように受けていました。僕もかなり神経質になっていましたが、感染対策をしっかりしていれば、大丈夫なんだと徐々に思うようになりました。