壇上には、白と紺のバイカラーのスーツを身にまとった雅子さま。日本赤十字社の名誉総裁として、13人の受章者代表に有功章を手渡されるそのご表情は明るく、生き生きとされていたーー。
5月19日、明治神宮会館で全国赤十字大会が開催された。コロナ禍で’20年、’21年は中止となっていたため、今回が3年ぶりの開催。雅子さまにとって、天皇陛下とご一緒ではない“単独公務”も2年9カ月ぶりだった。宮内庁関係者も、ほっとした様子を見せた。
「雅子さまは昨年11月から年明けにかけて体調を崩されていましたが、今回のご様子を拝見する限りでは、体調もかなり安定してきたのだと思います。ただ、外出を伴うご公務こそ増えてきましたが、海外ご訪問はまだ先のことになりそうです」
’20年の初夏には両陛下がイギリスを訪問される予定だったが、コロナ禍により延期に。今年、海外訪問が再開される見通しは立っていない。
「雅子さまご自身も、語学力や外務省時代の経験を生かした国際親善に取り組みたいという思いが強いのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
そんななか、5月13日に宮内庁がある計画を発表した。皇居・東御苑に、カフェを建設するというのだ。「大手休憩所」と仮称された施設は平屋を基本に一部2階建てで、床面積が3千平方メートルという大規模なもの。カフェのほか売店も併設され、屋上は眺望が楽しめるオープンテラスになる。皇居の歴史や皇室の活動を紹介するコーナーも設けられるという。完成は’25年(令和7年)度の予定だ。
実は、皇室に代々受け継がれる美術品や宝物を管理・展示する三の丸尚蔵館も拡充される予定になっており、大手休憩所はその向かいに建設されるという。この計画に、皇室担当記者は驚きを隠さない。
「皇居外苑の和田倉噴水公園にはスターバックスコーヒーがありますが、天皇ご一家のお住まいである皇居の中にカフェが設けられるのは初めてのことです。数年後のコロナ禍の収束を見据え、外国人観光客の来場を見込んでいるようですが、前例を守り、伝統を何より重視してきたこれまでの宮内庁の姿勢とは、まったく異なります。いったいどなたのお考えなのでしょうか……」