《俳優の皆さんは立派に演じられていますが、脚本の論理性が崩壊しています。私自身沖縄振興の関係者として残念であり、既に手後れかもしれませんがNHKは猛省する必要があります》
8月14日、Twitterでこう批判したのは元農林水産副大臣の礒崎陽輔氏(64)。これは、現在放送中のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に対する感想だ。最終回となる9月30日まで、残すところわずか1カ月あまり。しかし、政治家までもが「脚本が崩壊している」とクレームを入れるほど、批判の声が高まっているのだ。礒崎氏は15日にも、《コメントへの反響に驚いています。多くの人の不満がたまっていると考え指摘しました》と綴っている。
本作は、黒島結菜(25)扮するヒロイン・比嘉暢子が沖縄本土復帰と同時に上京し、料理人として成長する物語。だが、次々と巻き起こるハプニングに“わじわじする”視聴者も多いようだ。
「暢子が恋人の青柳和彦(宮沢氷魚・28)と結婚し、自分のお店を出そうとする寸前に、またもやあの『ニーニー』が現れ、邪魔をする展開でした」(テレビ誌ライター)
「ニーニー」とは、竜星涼(29)扮する暢子の兄・比嘉賢秀だ。借金を重ねるなど家族に迷惑をかけるトラブルメーカーだが、直近の第19週ではマルチ商法に手を染めてしまい大混乱に。
「違法だと知って手を引こうとしたところ、元締めの会社社長から違約金として200万円を請求されることに。暢子はコツコツと貯めていた開店資金を差し出し、尻拭いをさせられたのです。ですが、長女の良子夫妻の援助によって事なきを得ました」(前出・テレビ誌ライター)
■平均視聴率は16%を切り、ワースト3入りの危険性が
物語に大きく影響するような大事件かと思いきや、ヒロインの困難は一瞬で解決。SNSでは視聴者からの批判の声が相次いだ。
《ニーニー…いいかげんにして》
《どんな問題が起きても、どうせ何かしらであっさり解決するのがわかってるから感情移入できないんだよな》
《これだけ批判殺到していて、民放なら打ち切りか話数減らして放送となると思う》
ミュージシャンのヒャダイン(42)も17日にTwitterを更新し、《ちむどんどん、朝からなんかいやーな気持ちになりますねえ。何とかならないのかな。見なきゃいいんだな》と呟いていた。視聴者、政治家、そして有名人までーー。近年の朝ドラにはない異例の不評ぶりに、NHK関係者は嘆息を漏らす。
「『ちむどんどん反省会』に加え、最近のSNSでは『ちむどんどんの早期打ち切りを希望します』とのハッシュタグまで現れるほど、視聴者の不満が渦巻いていることは局内でも問題になっています。実は現在、ちょうど最終週の撮影が行われており、撮影現場は緊迫した雰囲気が漂っているようです。平均視聴率も16%を切っており、このまま低迷が続けば、歴代の朝ドラのなかでワースト3に入ってしまう恐れもあります」
物語はすでに終盤に突入しているというのに、いったい、何が批判を過熱させているのだろうか。
「知り合いのNHK職員でさえも、『見るのをやめてしまいました』と話していました。やっぱりプロの目から見ても、首を傾げてしまうところが今作の朝ドラにはあると思います」
こう語るのは、毎日放送の元社員で同志社女子大学メディア創造学科の影山貴彦教授だ。ドラマ制作の経験もある同氏が見てもストーリー展開に粗さが目立つという。