8月11日、日本のファッションデザイナーの草分け的存在で、世界的に活躍した森英恵さんがこの世を去った。享年96。
’05年、ニューヨークコレクションで蝶をモチーフにしたデザインが評価を受け、「マダム・バタフライ」と呼ばれるように。
’77年には東洋人として初めてパリのオートクチュール組合の会員となり、顧客にはモナコ公妃のグレース・ケリーや、女優のソフィア・ローレンなども名を連ねた。
「いつも美しく歩いてほしい」という思いをのせ、女性らしい気品を感じさせるデザインを世に送り出してきた森さん。華々しく艶やかな作品を振り返りますーー。
【’60年】石原裕次郎夫人のウエディングドレス
石原裕次郎さんの妻・北原三枝さんのウエディングドレスを制作。肩の大きなリボンがかわいらしい。
【’67~’87年】日本航空の客室乗務員制服
4~6代目の制服を担当。5代目では、今では定番のスカーフが初めてつけられた。
【’88年】美空ひばりさんのステージ衣装
「不死鳥コンサート」にふさわしいきらびやかなドレス。病いと闘いながら歌うひばりさんの体力を考慮して、重さを抑えて制作された。
【’92年】バルセロナ五輪日本選手団ユニホーム
白と赤で、背中に日の丸が入った日本らしいユニホーム。写真は、当時シンクロ選手だった小谷実可子らと。
【’93年】雅子さまのローブ・デコルテ
雅子さまがご成婚時にお召しになったローブ・デコルテのジャケットは、襟に花びらがあしらわれたデザイン。森さんは「雅子さまはバラの花のような方だと感じた」ことから着想を得たそう。そして、ご成婚を祝う宮中饗宴の儀でのローブ・モンタントも手掛けた。
■親友・黒柳徹子と本誌で対談
本誌では、熱烈な「ハナエモリ」ファンであり親友の黒柳徹子との対談を複数回掲載。徹子が司会を務めていた『ザ・ベストテン』の衣装はほとんど森さんのデザインだったという。また、『徹子の部屋』では、森英恵さんデザインのウエディングドレスを着たことも。