《皆さんに1つお願いがあります。前から気になってはいたけど最近よく目にします。競馬場はゴミを捨てる場所じゃありません》
9月19日、Twitterで競馬ファンにこう呼びかけたのは池添謙一騎手(43)。レースが続いた三連休の最終日、競馬場内に散乱した外れ馬券や新聞紙などの写真を投稿。冒頭の呼びかけに続き、《自分のゴミはゴミ箱へ。当たり前のことです。普通のことです。来た時よりも美しく。よろしくお願いしますm(_ _)m》と喚起した。
池添騎手のツイートは6.6万件の「いいね」がつき、新潟放送の近藤丈靖アナウンサー(50)も次のように賛同している。
《#池添騎手 のツイートに同感です。#競馬中継担当アナの私からもお願いします。#競馬場をきれいに使いましょう。未使用のマークカードもゴミではありません。元の場所に戻しましょう。汚い競馬場を見てファンが減ったらそれは競馬の衰退に繋がります》
JRA(日本中央競馬会)が設立されて今年で68年。19日は「JRAアニバーサリー」として、中山・中京競馬における全レースの全投票法の払戻率は80%に設定。イベントも行われ多数の来場者があったことが想像できるが、競馬場内での“ゴミ問題”は以前から指摘されてきた。
「数十年前から競馬場内におけるポイ捨ては問題視されており、主に馬券売り場や観戦席でのゴミが目立ちます。大部分はマークカードや外れ馬券、新聞紙ですが、なかにはペットボトルやお弁当のゴミを放置して帰る人も。近年では競馬ファンだけでなく家族やカップルで訪れるレジャー施設にもなりつつあるため、より来場者のモラルが問われています」(競馬ファン)
騎手やアナウンサーまでも注意喚起をした競馬場のゴミ問題。運営サイドはこのような状況をどのように受け止めているのだろうか? 競馬場における環境美化活動について、本誌がJRAに問い合わせると広報部報道室から文書にて回答があった。
――以前から競馬場内に外れ馬券や新聞などのゴミが放置されてきたかと思いますが、どのような対策を取られていますか?
「競馬場・ウインズ等の施設内外の通常清掃活動に加え、クリーンキャンペーン(1日1回~2回程度、職員と清掃員が競馬場・ウインズ施設内を巡回し、ゴミ等の回収を集中的に行う取組み)を行っており、併せて、競馬場・ウインズ等のTVモニター、レーシングプログラム(出馬表)、ポスター掲示等を通じたマナーアップ広報や啓発活動を行っております。
また、最新の現金投票機および“UMACA”というICカード専用キャッシュレス投票機では、タッチパネル投票やマークカードの代わりにお客様ご自身のスマホで馬券投票用QRを作成し、そのまま馬券購入ができる“スマッピー投票”に対応しております」
――騎手が呼びかけるほど、競馬場内に放置されるゴミは深刻な問題になっているのでしょうか?
「競馬場・ウインズ等のフロアに捨てられた外れ馬券や新聞紙などのゴミについては、適宜、清掃員が清掃するとともにゴミ収集に努めており、一定の場内環境は維持されているものと考えております。
一方で、メインレースなど競馬場内(投票所前等)が混雑する時間帯では、一時的にゴミが散乱することがありますが、クリーンキャンペーンなどの取組みや各種媒体を通じたマナーアップ広報や啓発活動により、競馬場・ウインズ等の環境美化に取組んでおります」
――改善されていない状況について、どのように受け止めていますか?
「当会の取組みに対し、お客様のご理解とご協力のもと、少しずつ競馬場・ウインズ等の場内環境は改善されているものと受け止めておりますが、引き続きクリーンキャンペーンなどの取組みや各種媒体を通じたマナーアップ広報や啓発活動により、競馬場・ウインズ等の一層の環境美化に取組んでまいりたいと考えております」
少しずつ改善されているとはいえ、まだまだ来場者1人1人の心がけが大切だ。