11月13日、全農カップ・トップ32船橋大会の決勝で、早田ひな(22)を下し、優勝した卓球選手・平野美宇(22)。
試合後のインタビューでは、「国内大会での優勝は本当に久しぶりで、とてもうれしい」と語っていた。
24年パリ五輪への代表争いでは後輩たちにも後れをとっていた平野だが、今回の優勝で選考ポイントは3位に浮上。“ハリケーン“とも呼ばれている高速卓球も復活させている。
その好調ぶりの理由について、「練習環境の変化が大きかったと思います」と、本誌に語ったのは母親の真理子さん。
平野は今年4月に、それまで4年間所属していた「日本生命レッドエルフ」を退団し、「木下アビエル神奈川」に移籍している。
真理子さんは次のように語った。
「18年に日本生命さんと契約したとき、美宇は、チームの練習拠点がある大阪に移り住むか、東京に残るかを悩んだことがありました。
結局、東京には医師である父親、それに東京の大学に通う妹もいましたので、家族で生活することを選んだのです。ただ、1人で練習を続けているだけでは、その効果も薄かったのかもしれません。
今年、声をかけてくださった木下グループさんの練習場は神奈川県川崎市にあり、東京の自宅から通うこともできるようになったのです」
現在の木下アビエル神奈川の監督は中澤鋭氏。「JOCエリートアカデミー」の監督を務めていたころは平野も担当していた。
「(好調だった時期の)練習環境が再現したようで恵まれました。また男子チームの『木下マイスター東京』の選手たちが、筋トレをガンガンやっていることに刺激されて、美宇も長時間の筋トレをするようになったようです。仲間と切磋琢磨できる環境が、彼女にとってよかったようです。今回の試合を見ても、足腰がしまり、顔もスッキリしていました」
また真理子さんには、復活優勝以上に嬉しかったこともあるという。
「優勝インタビューでは『皆様の応援やスタッフの方々に感謝します』と、言っていました。そんな娘の成長ぶりが、泣きそうなぐらい嬉しいのです」