ウエストランドの優勝によって幕を閉じた『M-1グランプリ2022』(ABCテレビ・テレビ朝日系)。河本太(38)から出されたあるなしクイズのお題に対して、井口浩之(39)がひたすら毒づくという“毒舌漫才”が審査員の心を掴み、栄冠を手にした。
『M-1』で披露したネタで、恋愛映画、アイドルなどありとあらゆるものに噛み付いた井口だったが、その中でも特にYouTuberが印象に残った人も多いのではないだろうか。
「YouTuberにはあるけど、タレントにはない」というお題に対して、井口は「やっぱりうざい」と即答。そして「さすがに見てられない」「再生数に取り憑かれておかしくなっている」「若くして大金を得てるからまともではない」「それが明るみにみではじめている」とまくしたてた上で、こう連呼したのだ。
「警察に捕まり始めている!!」
このフレーズは会場を笑いの渦に巻き込み、拍手が起こるほどの盛り上がりを見せた。ネット上でも、話題を呼んだ。
《「警察に捕まり始めている」のおもしろさなんなんだろうな。日本語学んでてよかったと思えるくらいおもしろい》
《警察に捕まり始めている」は響きから何からいいよな》
《今年の流行語大賞は『警察に捕まり始めている』です》
鋭いフレーズを放った井口だが、ここで一つの疑問が。果たして、YouTuberは本当に“捕まり始めている”のだろうか? そこで検証すべく、全国紙や民放キー局で報じられたYouTuberの逮捕報道を振り返っていく。なお、YouTube公式チャンネルを持っている有名人の逮捕は含めないものとする。
まず本誌が調べた中で、初めてYouTuberの逮捕が報じられたのが2017年9月。覚醒剤に見せかけた白い粉の袋を警察官の前でわざと落とす様子を動画で撮影した夫婦が、業務妨害容疑で逮捕されたというもの。
2018年は、10月にYouTuberとしても活動していた男性が、女性に性的暴行を加えた罪で逮捕された1件のみ。
2019年は、6月に当時「ワタナベマホト」として活動していた渡邉摩萌峡氏が10代女性に暴行を加えた傷害容疑で逮捕された1件。なお、渡邉氏は昨年3月にも児童ポルノ禁止法の疑いで逮捕されている。
2020年は、人気YouTuberが7月に窃盗容疑で、10月にも威力業務妨害などの疑いで2度逮捕。12月には別の男性が礼拝所不敬容疑で逮捕されており、計3件。
2021年は、3月に当時大学生の男性が児童買春を仲介した疑いで、6月に身分を偽って同年1月に行われた成人式に侵入した罪で男性がそれぞれ逮捕されている。また5月には、キャバクラ店を未許可で営業していた女性2人も逮捕されており、前述の渡邉氏と合わせて計4件。
そして今年はというと、2月にファスト映画を無断で投稿した男性が著作権法違反、同じく2月にYouTuberとしても活動していた暴力団組員らが覚醒剤を販売目的で作った疑いで逮捕。4月に大麻所持の疑いでゲーム実況系の男性YouTuberが、9月に動画の生配信中に知人男性を脅迫した男性がそれぞれ逮捕されている。計4件。
2017年から比較するとたしかに増え始めているといえるが、多いかと言われると疑問が残る結果に。ネタの中で「金の盾を持っているやつはいずれ全員警察に捕まる!」と言っていた井口だが、さすがにそんな事態は起こらなそうだ。