2月21日、記者会見に臨まれた天皇陛下(写真提供:宮内庁) 画像を見る

「雅子が29歳半の時に結婚してから、その人生の半分以上を私と一緒に皇室で過ごしてくれていることに、心から感謝するとともに、深い感慨を覚えます。この30年近く、二人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いながら、歩んでまいりました」

 

2月23日に63歳のお誕生日を迎えられた天皇陛下。その2日前の21日に記者会見に臨まれたが、そのお言葉は雅子さまへの深い愛に満ちていた。

 

会見について、皇室担当記者はこう語る。

 

「上皇さまも会見で美智子さまへの感謝のお気持ちを述べられることがしばしばありましたが、“美智子”ではなく“皇后”と呼ばれていました。

 

『雅子と共に』『雅子と一緒に』『雅子と二人で』……、このたびの会見で天皇陛下は繰り返し“雅子”とお名前をお呼びになり、その数は15回にも及びます。

 

『生活に安らぎと温かさを与えてくれていることもとても有り難く思っております』ともお話しになりましたが、雅子さまが、かけがえのない存在であることをはっきりと会見でお話しになるそのご姿勢に心を打たれました。

 

かつて上皇さまは会見で『結婚50年に当たって(皇后に)贈るとすれば感謝状です』と、おっしゃっています。いっぽう天皇陛下は今年6月9日にご成婚30周年をお迎えになるに当たって、雅子さまに“感謝状”ならぬ“ラブレター”を贈られたように思いました。会見をご覧になった雅子さまもきっと胸を熱くされたことでしょう」

 

名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんも、会見から“令和流”を感じ取ったという。

 

「“雅子皇后と共に”という令和皇室の方向性を第一に感じました。天皇と皇后が一緖にということは平成も同様でしたが、天皇を皇后が支えるという形だったと思います。

 

しかし令和は、療養中の皇后を天皇が支えつつ“一緖に”というあたりにポイントがあると思われます。弱い人々に寄り添う皇室の姿勢とも重なります。“悲しみやつらいことも分かち合いつつ、共に歩む”という姿勢が伝わってきました」

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