「けたたましく警告音が鳴った直後の8時ごろ、幼稚園からの連絡で子供の送迎バスが停止したと連絡が来ました。でも、正直なところどれくらい警戒すればいいのか、イマイチ現実感が湧かなかったんですよね」(函館市在住の主婦)
4月13日午前7時26分、防衛省は北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表し、政府はJアラートなどで、「午前8時頃、北海道周辺に落下するものとみられる」として警戒を呼びかけた。その後、「北海道及びその周辺への落下の可能性がなくなったことが確認されたので、訂正する」として、Jアラートは解除された。
結果的にミサイルは日本の領域内に落下していないことが確認されたが、道内を走る全ての在来線の運行が一時停止するなど、朝の通勤時間帯に大きな混乱を招いた。それにもかかわらず前出の北海道民に危機感が薄かったのには理由がある。
「道民以外にあまり知られていないかもしれませんが、北海道って“東京都”とか“青森県”みたいな規模じゃなくて、ものすごく広いので、せめて東西南北のエリアくらい言ってくれないと、あまりにも漠然としていて、恐怖心よりも最初に思ったのが『北海道のどこやねん』って……」(前出の主婦)
それもそのはず。北海道は、千葉から大阪までの能登半島も含む全県を包括するほどの広さがあるのだ。道内では比較的近隣都市である「函館ー札幌」は「東京ー名古屋」の距離に匹敵する。それほど北海道は広いのだ。
ツイッター上では《北海道の人、全力で逃げて!》など、道民を心配する書き込みが一時溢れかえった。しかし、北海道民からは総ツッコミ状態となった。
《北海道周辺にミサイルとか範囲が広すぎて身構えて良いものか分からん…》
《Jアラート出たけど、北海道広すぎて、避難しなきゃ!より北海道のどこやねん!ってなる みんな普通に通勤、通学してるし》
《北海道広すぎてどこに落ちる?どこに避難?無理じゃん》
《ミサイル落下予定が北海道って、範囲広すぎてなんの情報にもならないな…。せめて道南か道北か道東かの三択ほしい》
《ミサイル落下、北海道のどこだよ!!広すぎだ!そんなんで敵地攻撃能力とか言うな!》
《他府県の早く避難しろよだの 震災で何を学んだんだ平和ボケしてるだの うっせぇわ 北海道の面積なめんなよ》
1秒でも早く建物や地下に逃げ込めるようにという危機管理の観点からは致し方ないかもしれないが、もし「関東地方と中部地方と近畿地方周辺にミサイルが落下する」と言われたら、国民はどう思うだろうか……。