“授かり婚”した二人。新郎21歳、新婦20歳「若くて無知だったんでしょうね、先々の不安なんてまるでなかったです」 画像を見る

【前編】子だくさん11人家族ーー。山本家が日本を救う!から続く

 

「大家族だからって、節約は特に意識しませんね」

 

中古住宅をリフォームした持ち家に住み、電気代は月3万6千円、容量12kgの洗濯機を1日3回……。

 

福井県在住・山本彩子(さいこ)さん一家は、不景気の令和の今日も楽しく過ごしている。

 

長女・陽華(はるか)さん(17)、次女・ちひろさん(15)、長男・理一(りいち)くん(13)、次男・勇心(ゆうしん)くん(11)、三男・圭悟(けいご)くん(9)、四男・大地(だいち)くん(7)、五男・樹生(いつき)くん(5)、六男・朝陽(あさひ)くん(3)、七男・歓太(かんた)くん(1)と、7男2女の子どもたちに夫の達也さん(39)と、大家族11人の日常はにぎやかだ。

 

彩子さんは’84年、島根県で、団体職員をしている両親のもとに、5人きょうだいの次女として生まれた。

 

「兄、姉、私、弟、妹の5人です。きょうだい仲がよくて。幼いころは兄、姉に憧れ、少し大きくなってからは弟、妹の面倒を見る、そんなふうにして育ちました」

 

中学を卒業後、実家を出て奈良県の私立高校に進学し、寮生活を送った。次いで進んだ専門学校で、敦賀出身の達也さんと出会った。

 

「交際を始めて、部屋に遊びに行ったときに、彼の家族のビデオを見せてもらったんです」

 

5人きょうだいだった彩子さんに対して、達也さんのきょうだいはなんと11人。実家はテレビの大家族企画で、特集されたことがあったのだ。

 

「その番組に映っていた彼の家族が、すっごい楽しそうで。『いいな、羨ましいな〜』って思ったんです」

 

番組では“大家族の母”として達也さんの母が登場。彼女の言葉が、彩子さんの胸に響いた。

 

「義母は番組の中で『お金よりも、もっと大切なものがあるのよ』と強調していました。それは私の両親の教えとも共通していて。義母の言葉を聞いて私、『この家に入りたい、家族に加えてもらいたい』って思ったんです」

 

そのすぐ後の、’05年1月。成人式直後の彩子さんの体に異変が生じていた。赤ちゃんができたのだ。

 

「彼と一緒に産婦人科を受診して。先生から『おめでたです』って教えられて。幼いときから、夢でしたから。『私、お母さんになれるんだ!』って、うれしかったですね」

 

いっぽう、達也さんはというと、「彼は親になる責任の重さに、ちょっとパニクってました(苦笑)」

 

それでも覚悟を決め、それぞれの親に会って結婚の許しを得ると、2人して専門学校を中退。同年3月に結婚した。このとき達也さんは21歳、彩子さんは20歳だった。

 

「若くて無知でしたから、その後の生活の大変さとか、何もわかっていませんでしたね」

 

達也さんが管理人の仕事などに就き生計を立て、2人は出会った奈良で家庭を築いた。その年の9月には長女・陽華さんが生まれ、そこから2年ごとに、第二子(次女)、第三子(長男)、第四子(次男)と、おめでたが続いた。

 

「子どもは最低でも5人は欲しかったんです。自分が育った5人きょうだいという環境を私、本当に気に入っていて。

 

きょうだいが大勢いれば、困ったことが起きても助け合えるし、なにより幼いころ、私自身が毎日、楽しかったから」

 

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