「松坂さん演じるタキはまさに“はちきん”(高知の方言で気の強い女性)を体現する存在でした。どんな修羅場でも気丈に振る舞ってきたタキがついに病いに倒れ、最期を迎えるシーンの撮影には、スタッフも思わず涙ぐみました。タキが再登場した6月22日の視聴率は17.9%で今作の最高記録タイ。松坂さんの名演が大きな要因だと思います」(制作関係者)
放送中の連続テレビ小説『らんまん』(NHK)で神木隆之介(30)演じる槙野万太郎の祖母・タキを好演中の松坂慶子(70)。
「松坂さんの登場シーンは高知ロケが多く、撮影の合間に松坂さんは何度か出かけていました。主人公のモデルとなった牧野富太郎博士の生きざまに触れたいと県立牧野植物園に出かけたり、香川にある総本山善通寺も訪れたりしたと聞いています。
この寺は空海生誕の地。松坂さんは日中合作映画『空海』(’17年)の出演を機に、“自分自身を深く見つめ直し、仏のような生き方をする”空海の教えに救いを求めるようになったそうです。というのも、『空海』の撮影中はかつて絶縁した母・つね子さんを自宅で介護していた時期で、仕事と介護の両立に懊悩していたそうなんです」(前出・制作関係者)
松坂といえばジャズギタリスト・高内春彦さん(68)との結婚から始まった’91年の“親子絶縁”騒動が日本中の注目を集めた。
「高内さんは、NYで活動していた無名のミュージシャンでした。すでに人気女優だった松坂さんとは、知名度でも収入でも雲泥の差がありました。この格差婚に猛反対したのが、松坂さんの父・英明さんとつね子さんだったのです」(夫妻の知人)
当時、マスコミに対して英明さんは「収入もないのに亭主面してゴロゴロしているだけ」「娘に寄生している」などと、松坂の夫に対して猛批判を続けていた。
「松坂さんは何度も和解を試みたものの、断固として夫を認めない両親を許せなくなり、’92年にお互いが絶縁を宣言したのです」(前出・夫妻の知人)
松坂は夫とともにNYへ渡り、長女と次女を出産。7年間、NY生活を続けたのだ。
「異国で2人の娘たちを育てるのは想像以上に大変だったようです。それでも『絶対に私、両親には頼らない』と頑なでした。
親子の確執に大きな変化が起きたのは帰国後の’06年のこと。英明さんが病いで倒れ、寝たきりになったのです。つね子さんが高齢だったこともあり、松坂さん自ら、介護するようになったそうです。連日、間近で接することで、両親との溝が少しずつ埋まっていったようです」(前出・夫妻の知人)