「僕のリヒト(Licht)という名がドイツ語で『光』を意味することから、今回の展覧会のアンバサダーのお話をいただきました。両親に感謝したいと思います」
そう語るのは、現在、国立新美術館で開催中の「テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ」(企画展示室2Eにて10月2日まで)のアンバサダーと音声ガイドを務める板垣李光人(21)。
プライベートでもよく美術展を訪れるという彼は、「何度も足を運んだこの展示室で写真を撮られるのは、不思議な気持ちですが、うれしいです」とほほ笑む。
本展で印象に残った作品は、図録の表紙にも使用されたジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』。
「実際に自分が航海に出て絵を描いているそうで、陸や港から見ている海の風景とは違います。海の美しさだけではなく、恐ろしさや厳しさ、力強さといったことを実感したうえで描かれる絵はすごく印象的でした」
自身もデジタルアーティストとして活動している板垣にとって、アートに触れることはどんな時間なのだろう。
「いろいろな作品と向き合うことで自分自身が何を感じるか? という意味で自分と向き合う時間だと思います。僕自身、アーティストとしての部分では、作品からいろいろインスピレーションを受けますが、俳優の仕事に影響があるかというと別物のような気がします。アートやファッションはあくまで趣味なので」
NHKの大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合・日曜20時~ほか)では井伊直政を熱演中だ。
「大先輩の方々と長い期間ご一緒させてもらえることは本当に貴重な時間。大森南朋さんは友達みたいに接してくださいますし、松本潤さんはもう言わずもがなのカリスマ性というか、すごいなあと思いながら日々過ごしています。直政の初登場シーンが女装と知ったときは、お! っと思いました(笑)」
(撮影:イマキイレカオリ/ヘアメイク:信沢 Hitoshi/スタイリスト:伊藤省吾[sitor])