国連総会出席のため9月21日まで訪米していた岸田首相。得意と自任する外交政策には熱心だが(写真:共同通信) 画像を見る

天皇陛下雅子さまにとって、多忙な秋がやってきた。10月には、国民体育大会の開会式へ臨むために鹿児島県を、国民文化祭の開会式などに出席するために石川県をそれぞれ訪問されることが9月20日に発表された。

 

「先日は、北海道で開催された全国豊かな海づくり大会に両陛下は臨席されました。雅子さまにとっては24年ぶりの北海道ご訪問です。終始明るくお元気な様子で、同行した側近も一様に安堵したと聞いております」(宮内庁関係者)

 

だが雅子さまにとって、心穏やかではいられない動きが、突如政府内に起きていた。

 

「じつは、皇位継承問題などを担当していた山﨑重孝内閣官房参与が、13日に退任していたことが明らかになりました。

 

上皇さまの退位を受け設置された政府の有識者会議は2021年末に最終報告書をまとめ、翌年にかけて国会に示されました。山﨑氏は事務方を取りまとめ、皇室を維持するための一連の議論を集約する役割を担ってきました。その山﨑氏の退任によって、官邸の“皇室担当”が不在となってしまったのです」(政治部記者)

 

昨年春ごろに岸田文雄首相は、「皇室典範の改正は私の代でしっかりやりたい」などと語っていたというが、この人事には、官邸内部からも首を傾げる声が聞こえる。

 

「山﨑さんの後任となる“皇室担当”の参与は当面置かないそうです。つまり、“官邸は何もしない”ということにほかなりません。現状では、政府から国会に対して最終報告書を示している形で、“政府として議論を促さない”という姿勢を貫いています。

 

しかし、自民党内に設置された『皇室問題等についての懇談会』も2022年1月に初会合を開いて以降、一度も開かれていません。岸田総理に対しては、『自民党総裁として議論を促すべき立場にあるにもかかわらず、やる気がなさすぎる』『保守層の離反で支持率が下がることを恐れている』などという声が官邸や与党内から聞こえてきます」(官邸関係者)

 

保身のために変心した岸田首相の姿勢に翻弄されるのは、愛子さまのご将来にほかならない。静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう警鐘を鳴らす。

 

「皇室にとって愛子さまに期待される役割は年々大きくなっている一方で、現在の皇室典範では結婚によって皇室を離れてしまうことが避けられません。残るとしても結婚することを諦め、独身であり続けなければならず、改正は欠かせない状況にあります。

 

将来にわたる皇室のあり方についての議論が停滞することは、皇室の存続の危機を放置するばかりか、愛子さまの人生の選択肢をより狭めていってしまうのです」

 

岸田首相の“裏切り”は、愛子さま、そして皇室の未来を揺るがしかねないーー。

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