秋の気配が少しずつ深まりつつある東京都港区の赤坂御用地。緑豊かなこの地に、毎日のように工事車両が出入りしている。宮内庁関係者が嘆息を漏らす。
「秋篠宮邸改修工事中の“仮住まい”として旧御仮寓所(秋篠宮邸分室)が着工されたのが’17年1月。それから6年半以上がたちますが、いまだに“秋篠宮家関連”の工事は続いており、ついに整備費用は50億円を超えてしまいました。
何度も計画が変更されたとはいえ、“いつまで税金を使って工事を続けるつもりなのか”と、批判されても仕方がない状況です」
秋篠宮邸改修を中心とした、皇嗣家やその職員のための一連の工事。現在は職員たちが使用する事務棟、倉庫棟、2つの車庫棟、ゴミ集積所の計5棟が建設中であり、約5千万円をかけ旧御仮寓所の改修もスタートする。
前出の宮内庁関係者によれば、この思わぬ工事長期化の原因は2つの大きな“計画変更”だという。
「1つは秋篠宮邸と赤坂東邸の一体化を断念したことです。赤坂東邸は秋篠宮邸の北側に隣接し、皇族方が仮住まいなどに使う共用殿邸でした。本邸と事務棟があります。
秋篠宮邸の改修にともない、赤坂東邸を連結して活用すると発表され、工事の落札額は約23億円でした。もともと秋篠宮家が会見などに使用することが多く、荷物も置かれていたことから、そうした計画が浮上したようです。しかしフタをあけてみると、一体化を断念したうえに、落札額よりも10億円も多く改修費用がかかっていたのです」
赤坂東邸に関しては宮内庁が《従来と同様に、共用殿邸として皇室全体でご活用いただくこととなりました》といった文面を6月30日付でHPに掲載している。
「宮内庁内には、“一体化工事をせずに共用殿邸として活用するのであれば、赤坂東邸を改修工事中の秋篠宮ご一家の仮住まいにできたはず。約10億円もかけて御仮寓所を建設する必要もなかったのではないか”と、疑問を呈する声も上がっています。
また逆に計画どおり一体化したならば、現在行われている新たな事務棟などを造る必要性も生じなかったでしょう。
さすがに赤坂東邸の鍵は返却し、入口付近に置かれていた大きな鳥のモニュメントなど、秋篠宮さまの私物は邸内から撤去されているそうです。しかし9月15日に行われたベトナムご訪問にあたっての会見など、いまも秋篠宮家がおもに赤坂東邸を利用されている現状は変わっていません」(前出・宮内庁関係者)