3月26日、10年ぶりに伊勢神宮に参拝するため、三重県を訪問された愛子さま。現地は歓迎ムードに包まれている。
神宮関係者はこう語る。
「多気郡にある斎宮歴史博物館も見学されると伺いました。秋篠宮家の眞子さんや佳子さまも伊勢にいらっしゃいましたが、斎宮歴史博物館にはお立ち寄りになっていません。愛子さまのご希望があってのご訪問のようです」
天皇の代わりに伊勢神宮の神々に仕えるために選ばれた未婚の皇女が“斎王”であり、斎王たちの住居が斎宮だ。
斎王と同じように、天皇の代わりに京都の下鴨神社と上賀茂神社の両神社に奉仕した皇女を“斎院”といい、愛子さまが卒業論文のテーマに選ばれた後白河天皇の皇女・式子(しょくし)内親王も斎院を務めた。論文のタイトルは「式子内親王とその和歌の研究」。
愛子さまの卒論執筆の指導に当たった学習院大学文学部日本語日本文学科の中野貴文教授は、本誌の取材にこう語る。
「式子内親王が活躍した中世では、和歌は優雅さとはほど遠い先鋭的な芸術で、自分以外の人物になりきって、たとえば“失恋”など、与えられたテーマにそって詠むものでした。現代の歌手に近く、女性が男性の恋心を表現することもありました。
式子内親王は内親王という立場でありながら、和歌の世界で厳しい指導を受けながら修練を重ね、多くの優れた歌を編み出したのです。『源氏物語』や『古今和歌集』といった、当時の古典を読み込んでいることを前提に、言葉を磨き上げていった時代です。
宮さまは研究者レベルの知見を踏まえたうえで、さらにご自分の見解を加えられ、論文を書かれました。私自身この1年間、宮さまと学び、議論ができたことは、とても楽しみでした」
学習院大学卒業にあたって宮内庁が発表した愛子さまのコメントには、こんな感謝の言葉もつづられている。
《指導教授の先生からのアドバイスと心強い励ましのお言葉、研究室の皆様の温かいサポートを頂き、無事に提出できた時には、ほっとした気持ちと同時に大きな達成感がありました》