健全な青少年育成を目指し、全世界で活動を行う「ボーイスカウト」。5月7日、米国の「ボーイスカウトアメリカ連盟」は来年2月に組織名を「スカウティング・アメリカ」に変更することを発表した。
ボーイスカウト・オブ・アメリカは近年、周囲にカムアウトしている性的少数者や女性の入団も認めるようになっており、「すべての人にスカウトのメリットを体験してもらうための継続的な取り組みを反映」するために、リブランディングに踏み切ったと説明している。組織創立115周年にあたる2025年2月8日に新しい名称に切り替わる。
ダイバーシティへの配慮という面ももちろんあるが、TMZによるとボーイスカウトの会員数が過去最低の水準にまで下がっていることも名称を変える大きな理由の一つだという。男性のみならず、すべての人に門戸を開放し、会員数の増加に繋げる狙いがあるようだ。
ボーイスカウト・オブ・アメリカは1910年創立。同団体の発表によれば、これまでにのべ1億3000万人以上のアメリカ市民がスカウトプログラムを体験し、約275万人がスカウトの最高ランクであるイーグル・スカウトを獲得しているという。
イーグルスカウトになれるスカウトは全体の2%ほどと言われており、水泳、カヌー、クライミングなど21のメリットバッジ(技能賞)を獲得することが最低条件。リーダーシップに優れ、協調性に富んだエリートの証であり、政治家やノーベル賞受賞者、経営者などにも”イーグル”の所持者は多い。宇宙飛行士のニール・アームストロングもその一人だ。