ヒットソングを次々と生み出し、日本の音楽シーンを席捲するロックバンド・Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)。だが、6月12日にYouTubeの公式チャンネルで公開された新曲「コロンブス」のMVが、“差別表現”だとして物議を醸している。
同曲は大手飲料メーカー「コカ・コーラ」のサマーキャンペーン「Coke STUDIO」のために書き下ろされ、現在放映中のミセスが出演するCMで流されている。なおミセスがコカ・コーラとコラボするのは、昨年のサマーキャンペーンに続いて2年目。
今回、問題視されているMVは、西洋貴族風の装いをしたメンバーが小島にたどり着き、島で暮らす先住民のサルと交流するストーリー。Vo/Gtの大森元貴(27)がコロンブスを、Gtの若井滉斗(27)がナポレオンに、Keyの藤澤涼架(31)がベートーヴェンといった偉人たちに扮している。
だが人力車をサルに引かせたり、メンバーそれぞれがピアノや乗馬、天文学をサルに教えたりする描写が。また、サルが「敬礼」をするシーンもあり、主従関係をうかがわせる内容となっていた。
「1492年に大西洋を横断した航海者のクリストファー・コロンブスは、アメリカ大陸を発見した人物として長らく英雄視されてきました。アメリカでは彼がバハマ諸島に到達したことを記念し、10月の第2月曜日に祝日『コロンブス・デー』が制定されています。
しかしコロンブス一団は先住民を武力で制圧し、植民地化によって多くの犠牲を出したことも事実。大量虐殺や過酷な労働を強いるなどして、先住民を全滅の危機に追い込んだとされています。
近年の米国では、’20年5月に白人警官の暴行によって黒人男性のジョージ・フロイドさんが亡くなったことをきっかけに、人種差別批判が高まっています。同時期にはコロンブス像を破壊する行為も米国各地で報告されており、歴史の認識は変化しつつあります」(社会部記者)
本動画の再生回数は、13日14時時点で90万回以上を突破。コメント欄では1万件を超える書き込みがなされ、《国際問題に発展するレベル》《これはアウト》と批判的な声が殺到していた。