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「5月17日、改正道路交通法が可決・成立されたことにより、16歳以上を対象とした、自転車に関連した113の違反項目が設けられました。悪質運転、危険運転の場合は“青色切符”が交付され、5千円~1万2千円ほどの反則金を支払うことになります。施行は2年以内の予定です」(全国紙記者)

 

自転車のハンドルにレジ袋をかけて運転することもよくあると思うが、「乗車積載方法違反」で反則金1万2千円を科せられる……なんて可能性もあるのだ。

 

法改正が行われたのは、自転車事故が増加傾向にあることが背景にある。警視庁が発表する自転車関連交通事故の状況によると、自転車対歩行者の事故件数は、2008年にピークを迎えて2016年まで減少傾向が続いていたが、再び数が増えていき、2020年以降は右肩上がりを続けている。

 

NPO法人「自転車活用推進研究会」理事長の小林成基さんが、解説する。

 

「いくつかの要因が考えられますが、コロナ禍によって自転車通勤する人が増えたこと、ウーバーイーツなどフードデリバリーの利用者が増えたことなどが背景にあります。さらに、運転中にスマホを操作したり、イヤホンをして周囲の音が聞こえないまま運転したり、信号無視や歩道を縫って走行するなどのマナーの低下などが挙げられます。

 

全交通事故に対する自転車関連事故の割合は全国平均で23.5%ですが、なかでも東京は突出しており46.3%と約2倍です。早めに歯止めをかけないと、東京のような事故率の高さが全国に広がってしまうので、今回の法改正に至ったのでしょう」

 

では、自転車を運転する際、どのような点に注意を払うべきか。

 

「まず、『安全運転義務違反』や『携帯電話使用等(保持)』に該当する、スマホを見たり、操作しながらの“ながら運転”について。

 

イヤホンは、周囲の音が聞こえれば問題ありませんが、ノイズキャンセリングの性能が高い製品もあるので要注意です。

 

また、これから梅雨の季節で傘を差しながらの運転も見受けられますが、軽車両に分類される自転車の車体の幅は60cm以内です。サイズが90cmを超えるような傘はアウトだと思われます」(前出・小林さん、以下同)

 

歩道での運転も、場合によっては違反行為に。

 

「車道を走っていて、危ないときに一時的に歩道に逃げることは問題ありません。しかし勘違いされているのは、歩道を“走行”するということ。歩道では“徐行”が原則です」

 

右側通行や信号無視も散見されるが、重大事故につながる。

 

「一時停止は、一回、足をついて漕ぎ出さなければならないと思い、おろそかにしている人がいます。しかし、ギリギリまで速度を落として安全確認できれば、完全に止まる必要はありません。

 

踏切でもしっかり安全確認が必要ですが、開かずの踏切に入ってしまうケースも。非常停止ボタンが押され電車運行に支障をきたしたら、多額の損害賠償を請求される可能性もあります」

 

以上が「まず押さえておきたいポイント」だというが、ほかにも注意すべき違反項目がある。

 

「急ブレーキ違反」も起こしやすい違反。自動車の場合はブレーキランプによって後続車にブレーキを知らせることができるが、自転車の場合は、急ブレーキによって後続車の反応が遅れかねない。

 

ウインカーがない自転車にも、違反項目に「合図不履行」があるが……。

 

「右左折をするときなど、手、方向指示、灯火等によって、行為が終わるまで合図を続けることが原則。自転車の場合は手で合図となりますが、片手運転となり、子供を乗せているお母さんの場合はかえって危険。当面、青色切符は適用されないと考えています」

 

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