精一杯応援をする荒井さん(写真:本人提供) 画像を見る

第106回全国高校野球選手権大会で、初のベスト8入りを果たした滋賀県の滋賀学園。夏の甲子園出場は15年ぶり2回目の出場となり、選手たちの奮闘もさることながら、大きく脚光を浴びたのがアルプススタンドから声援を送った応援団だ。

 

人気ゲーム『UNDERTALE(アンダーテール)』の楽曲『MEGALOVANIA(メガロバニア)』に合わせ、ユーモアあふれる動きで一糸乱れず踊る部員たちの振り付けはTikTokなどSNSで“キレキレダンス”と大バズり。滋賀学園の応援団を映した動画は瞬く間に拡散し、こんな書き込みが並んでいた。

 

《猛暑の中でこの応援はすごい 甲子園で戦っているのはグランドにいる選手だけではない》
《滋賀学園の応援良かった。出場選手だけでなくチーム全体で戦ってた 団結力最高でした!》
《素晴らしい応援団 一心不乱な様に心を鷲づかみされました! ファンになっちゃう》

 

そこで、滋賀学園に取材を申し込むと、応援団長を務めた3年生の荒井浩志さん(以下、カッコ内は荒井さん)が取材に応じてくれた。スタンドの最前列でキレのあるダンスを踊り、時には中継のカメラに視線を送ることも多く、まさに応援団の顔とも言える荒井さんは、反響をこう明かす。

 

「野球から離れてみると、周りの人から『すごい良かったよ』とか『お疲れさま』という声を沢山いただいて、自分もすごく『やりきった』と実感しています」

 

こうした声は、荒井さんの家族にも伝わっていたようだ。

 

「自分だけじゃなく、父や母にも反響は届いていました。両親は職場の人から『息子さんよく頑張っていたね』という風に声をかけられたり、『荒井くんの親御さんですか?』と尋ねられることもあったそうです。自分の身近な人にも、ありがたいお言葉をかけていただいて、そういう反響を聞くと、『すごい世間に知られているんだな』という風に思いました」

 

だがそのいっぽうで、SNSやネットの書き込みには好意的な声ばかりではなかった。一般的なアルプススタンドでの応援とは少し変わったスタイルに対して、一部からは否定的な声もあったが、荒井さんは気にしていないという。

 

「自分の元に否定的な声が直接寄せられることはありませんでしたが、SNSのコメント欄を見ると、そういったコメントも少しあって。でも否定的な目で見る人もいるのは、『注目された証拠や』っていう風に捉えています。こればかりはしょうがないという風に、切り替えていますね。周りも『気にするな』という風に言ってくれていて、そういった面でもやっぱり仲間がいたんで。応援団みんなで支え合って頑張ってきたんで、大丈夫です」

 

また、大勢の人を惹きつけた個性的な応援スタイルが生まれた経緯について、荒井さんはこう振り返った。

 

「自分たちもバージョンアップしていかないといけない中で、みんなから応援ミーティングの時に『新曲を入れよう』という風に意見をもらいました。その際に、まず3年生だけで考えて、そこでまとまった意見をみんなに伝えて。その結果、『良い』ってなったらその楽曲を採用して。それでまた3年生で振り付けを考えて、という形で取り組んでいました」

 

応援練習は夏の大会が始まってから、毎日積み重ねてきたという。楽曲や振り付けなどのアイデアは「すぐに出た」というが、1、2年生に教えるのに時間がかかったとのこと。荒井さんは、「やっぱり何回も練習しないと、キレもあんなに出ないですし。何回も何回も練習しました」と語った。

 

記者が「今後もこうしたスタイルは引き継がれていくのでしょうか?」と問いかけると、荒井さんは「そうなってくれたら嬉しいですね」と期待をのぞかせていた。

 

チームのために注いだ情熱は、この先も後輩たちに受け継がれていくことだろう。

 

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出典元:

WEB女性自身

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