9月19日に配信が始まって以来、大絶賛されているNetflixシリーズ『極悪女王』。’80年代に日本に女子プロ旋風を巻き起こした稀代の悪役レスラー・ダンプ松本の半生を描いた同作は、ダンプ松本役にゆりやんレトリィバァ(33)、ライオネス飛鳥役に剛力彩芽(32)、長与千種役に唐田えりか(27)が起用され、その迫真の演技やプロレスシーンに注目が集まっている。
そんな注目作品で”全試合シーン”に立ち会うリングアナウンサー役に大抜擢されたのは、”売れない芸人”の神宮寺しし丸(48)。後編では、Netflixドラマの舞台裏を明かしてくれた。
■撮影の前には「パワハラ・セクハラ研修」が実施された
長期に及ぶ撮影は’22年の夏から始まったという。
「外資だから現場でのパワハラ・セクハラにすごく厳しくて、撮影前にまずは”リスペクトトレーニング”という講習会から始まるんです。演者もスタッフもみんな参加して、”こういうこともパワハラ・セクハラになりますよ”みたいな。だから、僕が普段合コンとかで女の子に言ってたことは”全部セクハラだったんだ……”って。合コンのみんな、ごめんなさい」
撮影の合間は和気藹々とした雰囲気だったという。
「僕、一応芸人なんですけど、芸歴でいったらゆりやんは後輩なんですよ。昔、テレビ番組のひな壇で1度一緒になってるんですが、ゆりやんは僕のこと全然覚えてなかった(笑)。でも、ゆりやんとクレーン・ユウ役のマリー・マリーのえびちゃんは芸人同士だから話しやすかったですね。
めちゃくちゃいじってくれて助かりました。僕が現場入ると『すいません、ここ関係者の人しか入れないんで』って毎回言われて、『いやいや、僕がリングアナの……』『いや、ちょっと見たことないんで』みたいなくだりをもうね、30回以上やってます(笑) 唐田さんまで『そこ座らないでもらっていいですか? リングアナの方が座るんで』って。めちゃくちゃ仲良くしてくれてありがたかったですね」
座長のゆりやんや唐田、剛力は毎回のように現場に差し入れを持ってきていたというが、神宮寺は差し入れが何だったのかハッキリ思い出せないという。
「なぜかというと、ここがNetflixのすごさなんですけど、ケータリング専用部隊がいるんですよ。普通だったらチョコレートとかがちょっと置いてあるくらいのところ、Netflixではキッチンカーみたいな”ケータリング号”があって、ありとあらゆる食べ物があるんです。
駄菓子屋さんみたいにいろんな種類のお菓子がブワーっと並んでて、おにぎりとかバナナとか、ジュースだって何種類あるんだっていうくらい。そこに差し入れも並ぶので、記憶に残りにくいんですけど、食費が浮いてめちゃくちゃ助かりました。女優さんたちも太らないといけないから、体型維持のために結構食べてましたね」
女優陣の体作りはかなり過酷そうだったという。
「剛力さんは食べても太りにくい体質らしく、『体重を増やすのが大変だった』って言ってましたね。あと、途中でゆりやんの怪我で撮影が半年くらいストップしたんですが、その期間に女優さんたちは一度元の体型に戻して他の仕事をやって、また半年後に体を作り直してたんですよ。体づくりに関してはかなり過酷だったと思います」