《10月下旬、フジテレビ系列ではMLBワールドシリーズを全試合生中継しました。生活者が『今観たい!』関心事を敏感に感じ取り、日本中に興奮と感動の瞬間を、余すことなく届けることができました》
フジテレビの港浩一社長から、社員たちにこんなメッセージが届いたのは11月中旬のことだったという。
「2024年度下期賞与の金額を発表するとともに、“特別手当”の支給も決まったのです。ドジャースとヤンキースが対決したMLBワールドシリーズでは大谷翔平選手の活躍に注目が集まり、かなり視聴率が高く、一部が社員にも還元されることになりました」(フジテレビ社員)
社長のメッセージはこう続いていた。
《これは、制作・編成・営業・技術はもちろんのこと、フジテレビが全社一丸となって成し得た結果です。この皆さんの奮闘をたたえる意味で、『MLB放送特別手当』を支給することにしました。これからも、歩みを止めることなく、次の一手を打ち続けていきましょう》
いわば“大谷・特別手当”とも言うべきものだが、社員に一律8万円が支給されることに。一般的なサラリーマンからすればうらやましい限りだが、必ずしも喜んでいる社員ばかりではないという。
「大谷選手がロスで購入した新居に関する報道で、フジテレビスタッフは近隣住民までインタビューし、大谷選手を激怒させてしまいました。
大谷選手の怒りは解けていないのか、ワールドシリーズでドジャースが優勝した直後に、フジテレビがインタビューできなかったことは、“取材拒否事件”として局内に衝撃を与えました。
MLBワールドシリーズの中継をフジが中継できたのは、たまたまのこと。大谷選手との関係も修復しておらず、取材拒否もされたのに、単純に喜ぶことはできません。そもそもこうした事態を引き起こしたのは、“視聴率を稼げれば何をしてもよい”という上層部の体質のせいもあると思います」(前出・フジテレビ社員)
港社長のメッセージは、次のような文言で締めくくられている。
《これからも志高く「視聴率反転攻勢」、そして更なるブランドイメージ向上を目指し、強い体質の会社へと、進化し続けましょう》
はたして大谷がこのメッセージを読んだら、どんな感想を抱くだろうか。