「初めてお会いしたのは 50年前の時代劇ドラマ『ふりむくな鶴吉』の現場でした。楽屋でよくエルヴィス・プレスリーを歌ってくださって、場を盛り上げていらっしゃいました。それはそれはとてもいいお声でした。収録後は新宿の焼き鳥屋さんに連れていってくれたこともありましたよね。それからほかの仕事でも時おり共演させていただきましたが、明るくてその場を引っ張ってくれる印象は変わらなかったです。
オーディオドラマ『新日曜名作座』では、’08年から16年と数カ月ご一緒させていただきました。最後の収録が7月半ばで、そのときもいつものようにニコニコしながら車いすでいらして「お暑うございます」なんておっしゃって。そうすると、その場が和む感じになって。そんなある日、収録を終えて帰られるとき、西田さんはエレベーターで降りるつもりが間違って上の階へ行ってしまったようで、私が乗ろうとしたら西田さんがエレベーターの中にいました。そのときの西田さんのうれしそうな、いたずらが見つかったときの子供のような無邪気な笑顔は忘れられません。あの笑顔、これからも何度も思い出すことでしょう。
今も収録で会えるような気持ちにふとなるときがあるのですが、それはもう二度と来ないのだなと実感が湧いてきています。素敵な時間をご一緒させていただいて本当にありがとうございました。天国でもあの笑顔でいてくださいね」(竹下景子)
【西田敏行さん】
俳優 10月17日没(享年76)
’70年に劇団青年座に入団後、人情家から悪役まで幅広く活躍した。映画『釣りバカ日誌』、ドラマ『西遊記』など代表作は多数。本誌では家族総出でインタビューに応じてくれた。
【篠山紀信さん】
写真家 1月4日没(享年83)
日本を代表する写真家。大学在学中より活動を始め、市井の人から著名人までを写した「激写」シリーズで知られた。本誌では活動休止前最後の「嵐」の表紙などを撮影した。
【山本陽子さん】
女優 2月20日没(享年81)
’63年、日活のニューフェイスとして芸能活動を開始。テレビドラマや映画、舞台と幅広く活躍した。『白い滑走路』『白い影』などヒット作に出演。確固たる人気を築いた。
【TARAKOさん】
声優 3月4日没(享年63)
’81年、アニメ『うる星やつら』で声優デビュー。’90年に『ちびまる子ちゃん』の放送がスタートするとブームを巻き起こす人気アニメに。主人公のまる子を34年以上演じた。
【桂由美さん】
ブライダルファッションデザイナー 4月26日没(享年94)
’65年、東京に日本初のブライダル専門店をオープンし、80年代は欧米でも作品を発表。日本のブライダル界をけん引し続けた先駆者。本誌の特派記者として、海外に渡ったことも。
【中尾彬さん】
俳優・タレント 5月16日没(享年81)
’64年に俳優デビュー。映画『極道の妻たち』や『アウトレイジ ビヨンド』など話題作に出演。トレードマークのねじねじマフラーで親しまれ、バラエティ番組でも活躍した。
【今くるよさん】
漫才師 5月27日没(享年76)
高校の同級生だった今いくよさんと「今いくよ・くるよ」を’70年に結成。「どやさ」と叫ぶギャグと派手なファッションで一世を風靡した。女性漫才師のパイオニアとして活躍。
【アラン・ドロンさん】
俳優 8月18日没(享年88)
フランス映画界の名優。’57年『女が事件にからむ時』で銀幕デビュー。代表作は『太陽がいっぱい』『山猫』など。端正な顔立ちから二枚目俳優として世界中の人々を魅了した。
【ピーコさん】
ファッション評論家・タレント 9月3日没(享年79)
’75年に双子の弟おすぎと「おすぎとピーコ」のコンビでタレント活動をスタート。フ ァッション評論家としても活躍。歯にきぬ着せぬ辛口なコメントで人気を集めた。
【大山のぶ代さん】
声優 9月29日没(享年90)
国民的アニメ『ドラえもん』のドラえもん役を’79年から26年にわたり担当。声優デビューは’57年『名犬ラッシー』。ハスキーで特徴的な声をいかし、多くのアニメ作品で活躍した。
【火野正平さん】
俳優 11月14日没(享年75)
子役デビュー後、’73年NHK大河ドラマ『国盗り物語』の秀吉役で注目を集めた。“元祖プレイボーイ”としても知られており、近年は『にっぽん縦断 こころ旅』で人気を博した。
【中山美穂さん】
女優・歌手 12月6日没(享年54)
ミポリンが愛称の’80年代の伝説的アイドル。『ただ泣きたくなるの』などのヒット曲を放った。女優としても活躍し、代表作は映画『Love Letter』など。本誌表紙を飾ったことも。
【小倉智昭さん】
アナウンサー 12月9日没(享年77)
テレビ東京のアナウンサーを経て’76年にフリーに。テレビ番組などで活躍。’99年から 朝の情報番組『とくダネ!』の司会を22年にわたり務め、朝の顔として知られた。