「1年くらい前から、今のようなお仕事でごはんを食べていけるようになってうれしいです。これもさらば青春の光のおふたりをはじめ、みなさんのおかげです。『べらぼう』に出てからは、70~80代の人からも声をかけられるようになりました。こうやって取材してもらえるのもありがたいですね。でも、ぼくただのハゲたおじさんですけど(笑)」
そう語るのは、現在、三谷幸喜脚本のドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)で、ジャズ喫茶「テンペスト」のウエイター・仮歯役で出演するひょうろく(38)だ。
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』でも、花魁に翻弄される松前藩家老・松前廣年役を好演。「あの人は誰?」と、話題を呼んだばかり。
ここ1、2年で一気にテレビで見かけることの多くなった彼だが、現在も事務所には所属せず、フリーで活動している。ブレイクのキッカケは、「さらば青春の光」のYouTubeチャンネルの企画、『30分以内に事務所に来た芸人にギャラ1万円をプレゼント』の中で、終了時間から20分過ぎていたにもかかわらず事務所を訪問したこと。そこでみせた独特のキャラクターが、森田哲矢と東ブクロに刺さり、以降、さらばのYouTubeチャンネルの常連となった。
さらに『水曜日のダウンタウン』(TBS系)では、数々のドッキリ企画に出演。細身の丸坊主で、想像の斜め上を行く挙動不審な行動は、「一度見たら忘れられない!」と、視聴者を釘付けに。
ついには「ひょうろく、キャラ作ってるんじゃないか説」や「ひょうろく人間性最終チェック」など、ひょうろくがメインの企画が組まれるほど。素なのか演技なのかわからないリアルな怯えっぷりが評価され、いまやCMや話題のドラマにも引っ張りだこだ。
■大河ドラマのオファーも「またドッキリかと…」
そんなひょうろくだが、大河ドラマのオファーがあった際には、すぐには信じられなかったそうだ。
「最初は、台詞がない役になるかもしれないと伝えられていたんです。その後、ストーリーに絡んでくるかもと聞いてうれしかったんですが、どこかで『これもドッキリの企画なんじゃ……』と思っていました。でも現場に行ってみると、渡辺謙さん(田沼意次役)がいらしたので、『水ダウ』ではないなと信じることができましたね(笑)」
とはいえ、俳優としてはキャリアが浅く、演技には苦戦したと振り返る。
「福原遥さん演じる花魁に自分が騙されていたことを知り、怒りからやがて憎しみを抱くようになるんですが、僕はふだん、怒りの感情は沸かずに、ただただヘコんでしまうタイプの人間なので、“怒り”を表現するのが難しかったです。
『騙しやがって――!』と、自分では感情を出しているつもりでも、演出家さんからは『もっと、もっと』と言われて。頑張って気持ちを込めたんですけど、画面で見てみると『あれ、ぜんぜん顔が変わってない……』と」
そんな大河ドラマ出演から間を置かず、『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』など話題作に出演し続けているが、ドラマの現場では、いつもまわりの俳優さんたちの気遣いに助けられているという。
「『もしもこの世が~』の現場では、豪華なキャストさんがいる楽屋で、なかなか会話に入れずにいると、『ひょうろくさんはどうですか?』と、菅田将暉さんが声をかけてくれたんです。ドラマを背負っている座長で、あれだけの台詞量で相当大変なはずなのに、僕にも優しく声をかけてくださって。とてもありがたかったですね」
ジャズ喫茶店主役の小林薫からは、立ち位置などについてもアドバイスをもらったそう。
「撮影に慣れてない僕が、どこに居たらいいかわからず立っていると、『こっちこい。おれの後ろや近くにいて、カメラに映り込んでおけばいいよ』と、画面に入るようにアドバイスしてくれました。
ぜひ、劇中で小林さんのまわりをうろついている僕をチェックしてください」
■休日は「自宅でお風呂ざんまい」
同時に、撮影の合間に二階堂ふみに「休日は何をしてるんですか?」と優しく話しかけられたのも思い出だという。そんな二階堂に、「ぜひ教えてほしいことがある」とひょうろくは話す。
「二階堂さんが撮影現場に差し入れされた入浴剤を僕もいただいたんです。その入浴剤を使ってお風呂に入ったら、とっても香りがよくて。でもパッケージを捨ててしまったので、商品名がわからず……。ぜひ、教えてほしいんです」
というのも、ひょうろくの唯一の趣味といえるのが「おうち風呂」なのだとか。
「以前は、ガス代の節約のために、湯船につかるのは週に1回で、あとはシャワーで済ませていました。それが週に2~3回に増えて、今は毎日ではないですが、お風呂に入れるように。もったいないと思っていた追い焚き機能も、『ガス代が……。まあいいか』と、使えるようになりました。
休みの日は、基本的に家にいます。朝起きて、昼前にお風呂のお湯をためて、スマホを持って入るんですが、ボーッとしていて、30~40分したら一回出ます。
昼食をとって、またお風呂に入って、上がって……というのを2~3回を繰り返していると、もう夜になってますね」
肌がツルツルのひょうろく。お風呂ざんまいのおかげ?
「昔、芸人の仕事を始めたころ、男性で肌がとてもきれいな人がいて、『何を塗っているんですか?』と、聞いたんです。それで勧められたのが『肌ラボ極潤』の化粧水で、『じゃあ、それ使います』と。それからずっと同じです。でも、誰が教えてくれたかは忘れてしまったんですけど……。
今、TikTokなどのSNSを見ても、もう情報量が多すぎて何が本当で何がウソかがわらかないので、僕は、信頼できる人から直に聞いて、教えてもらうのがいいなと思っています。そこで改めて残念なのは、二階堂さんの入浴剤のパッケージを捨てちゃったことですね」
よりさまざまなシーンで、独特の存在感を放ち続けるひょうろく。画面に映る彼の肌のツルツル具合にも注目だーー。
画像ページ >【写真あり】「唯一の趣味」の影響か、ツルツルお肌のひょうろく(他2枚)
