埼玉県八潮市の道路陥没事故が発生してから1月28日で1年が経過した。
八潮市大瀬で下水道管が破裂し、水道管に土砂が流出して、県道交差点が陥没。トラック一台が転落し、運転手が亡くなっていた。有毒ガスである硫化水素が、下水道管を腐食させたことが原因とみられている。
県道交差点は幅約40m、深さ約15mにわたって陥没したが、1年の月日が経ち、どうなっているのだろうか。周辺住民が明かす。
「今も復旧工事が続いています。今年4月には通行止めから片側通行になるそうですが、すべての工事が終わるのは、5年後とか7年後というので呆れています。
当初、転落したトラックの捜索が行われていた頃には、昼夜問わず、“ガガガ”と音を立てて、掘り起こしを行っていて、家がいつ崩れてしまうかと不安でしたね。向かいのお宅は他に移り住みましたし、隣の奥さまは入院。斜めの飼い犬も動物病院に入ったとか。私も妙な風邪を2回もひきましたね。
事故現場から硫化水素が漂い、ゆで卵が腐った臭いというか、火山の臭いにドブの臭いが混ざったような臭いがして、洗濯物なんて干せませんでした。
シャッター雨戸が錆びて開かなくなったり、車のバンパーが錆びたりしていましたから、人体への影響もあったのでは。1年経って、いくらか収まりましたけどね」
事故現場から100mほど離れた場所に店を構える食事処 秋田や。夫婦で昼と夜の営業を行っているが、午前の仕込み中に取材に応じてくれた。まず「事故から1年の思いは?」と尋ねると――。
「なんとも言えませんよね。日本中どこでも起こりそうな下水の事故にたまたま遭遇してしまったわけですが、地元はそれを乗り越えて、どうにか生活していこうと思っていたのに、事故の責任を負う埼玉県が何も寄り添ってくれないというその点に苛立ちがあるんです」
複雑な胸中を明かし、さらにこう続ける。
「県の説明会で、住民側が不満を訴えたことに対し、責任逃れの発言ばっかりでした。例えば異臭の影響で気分が悪い状態が続いているといっても、『それは前からだったんじゃないですか?』などと言われました。
これでは、災難を乗り越えていこうという地元住民の心が折れてしまいますよね。そういったがっかりすることばかりですよ」
埼玉県には、近隣住民への真摯な対応が求められる――。
