「皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」
オランダ・ベルギー公式訪問を前に、天皇陛下は6月11日に臨んだ記者会見で、こう述べられた。
「衆参両院の各党・会派の代表が話し合った全体会議では、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ案、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案の二つを『いずれも了』とし、『立法府の総意』として11日に高市早苗首相に手渡されました。
この総意では、養子案は皇室典範で禁じられてきた経緯を踏まえ、必要と認められる場合は『一定年数ごとに見直す』とされています」(皇室担当記者)
“一定年数”とはどれほどの期間なのか。
「衆院の石井啓一副議長は、『これから生まれてくる子どもが自分の意思を表現できる年齢を踏まえると20年ないし30年が想定される』と述べています。
たしかに生まれてくる子どもの意思を尊重するということは大切なことだと思います。しかし、養子案については、そもそも“なり手がいるのか”“養子を認める宮家があるのか”といった問題も指摘されてきました。
さらに言えば、30年後といえば愛子さまが54歳、悠仁さまが49歳になられています。そのときになって“結局、養子案は実現しなかった”となっても、今回の全体会議の出席者たちの誰が政治家として活動しているかもわかりません。宮内庁内でも、『強引に養子案を提案しておいて、無責任ではないか』という声が上がっています」(前出・皇室担当記者)
また皇室研究家で神道学者の高森明勅さんはこう話す。
「石井啓一副議長の『20年ないし30年が想定される』という発言からは、いまは養子として手を挙げる旧皇族の子孫がいなくても、次世代には出てくるかもしれない、という希望的観測がうかがえます。
養子案については明確な反対意見も出ており、そもそも“立法府の総意”とは言えません。前回の『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』で、一連の議論は全会一致の原則で進められた前例があります。当時の大島理森衆院議長や議員たちは、対立意見があっても、丁寧に議論し、歩み寄ったことで、成立したという経緯があります。
今回のように”歩み寄らなくてもいい”という進め方そのものが、皇室の地位を貶めているとも受け取れます。
しかし今回の立法府の総意には、《法施行状況を踏まえての検討条項及び確認しておくべき事項》として《改正後の皇室典範等による皇族数の確保の状況等を踏まえ、安定的な皇位継承を確保するための方策について、引き続き、検討することについても、付帯決議において確認するよう各党・各会派に要請したい》とされています。
安定的な皇位継承が論じられることになれば、女性天皇や女系天皇も当然論点となります。それを実現するために、国民も論争を盛り上げていく必要があると思います」
天皇陛下も国民に、“安定的な皇位継承”に向き合ってほしいと望まれているに違いない。
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