「(天皇陛下は)国民のみなさまの理解や納得を得られるものとなるように願われているのではないかと拝察している」
11日の定例会見で、そう語ったのは黒田武一郎宮内庁長官。
この前日に「立法府の総意」がとりまとめられたことについて、黒田長官は天皇陛下や秋篠宮さまにご報告したという。
天皇陛下がどう受け止められたかについて質問された長官は、冒頭のように語った。
「衆参両院の各党・会派の代表が話し合った全体会議では、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ案、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案の二つを『いずれも了』とし、『立法府の総意』として高市早苗首相に手渡されました。
今後は国会で改めて、皇室典範改正に向けた審議が行われますが、特に養子案については国民に受け入れられているとは言いがたく、審議が紛糾する可能性もあります。
『文藝春秋』(7月号)は、養子案について天皇陛下が『国民の理解を得られるのか』とご懸念を示されたと報じています」(皇室担当記者)
養子案については、森英介衆院議長は8日の記者会見で、「養子となった男子は皇位継承権を持たないが、男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる」と発言し、物議を醸した。
「取りまとめられた『立法府の総意』を超えた内容だとして野党が反発し、森衆院議長は『今回は皇族数の確保に関する取りまとめであり、将来の皇位継承のあり方を縛るものではない。そこが正しく伝わらなかった』と釈明しましたが、対立の溝をいっそう深めてしまった形となりました」(前出・皇室担当記者)
皇室研究家で神道学者の高森明勅さんはこう語る。
「森議長は『男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる』という発言について陳謝しましたが、男系維持派の本音が露呈した形になりました。
つまり『立法府の総意』案が法制化されれば、いずれ“一般国民の子供”が皇位継承権を持つことになるということです。
愛子内親王殿下のように天皇家の長女としてお生まれになり、さまざまな公務を通じて皇室と国民との信頼関係を築いている方でも、女性であることだけを理由に継承権はなく、いっぽうで旧宮家に男性として生まれたという理由だけで、その子供には皇位継承権が与えられるという“ねじれ切った皇室”を男系維持派は目指しているということです。
そうした事態になってしまえば、皇室が国民と信頼関係を築くことは難しいのではないでしょうか」
国民も国会での審議を注視し続けなければならない。
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