7月1日に防衛省・自衛隊の公式Xアカウントが投稿した、防衛省の東京・市ヶ谷庁舎に電動キックボードと電動アシスト自転車を導入したというポストが波紋を広げている。
《本日(7月1日)より、防衛省市ヶ谷庁舎に電動キックボードと電動アシスト自転車を導入しました》とつづり、Luup(ループ)社のLUUPの立て看板の脇に電動キックボード3台と電動アシスト自転車2台が設置されている写真を公開した。
同ポストは続けて《東京ドーム約5個分の広さを有する庁舎内での移動をよりスムーズにし、業務効率の向上につなげます。今後も、職員が力を発揮できる環境づくりを進めていきます。》と投稿している。
社会部記者が言う。
「LUUPは2020年から電動マイクロモビリティのシェアサービスを開始し、電動キックボードと電動アシスト自転車あわせて、全国で5万台以上の車両を展開しています。
その一方、悪質な運転、交通違反や事故も発生しており、LUUPに対する批判的な意見は少なくありません。2026年6月2日には都内の交差点でLUUPに乗っていた男性が死亡する事故も起きました。
LUUPには中国メーカーと共同で開発された中国製の車両もあり、GPSと通信機能が搭載された車両により、位置情報が取得され、周辺ポートの空き状況や行き先のナビゲーション、また危険走行の防止などに利用されています。
ただ、今回は防衛省という機密の塊のような場所に導入した車両が中国製でGPS搭載という点がクローズアップされています。X上には、防衛省関連の情報が流出するのではと懸念する声が相次いでいます」
実際、Xでは
《国産で代替品はなかったのでしょうか?あえて位置情報等のセキュリティ問題や、社会的にも否定的な印象の強いものを採用する意図がわからない。》
《省内で使うのはヤバいんじゃないの?どういう形で情報抜かれるか分からないよ》
《これ防衛大臣はご存知なのだろうか?小泉大臣が認可するとは思えないのだが》
などと疑問を抱く声があがっている。
今回、防衛省はLuup社の電動キックボード10台と電動アシスト自転車5台を導入している。
本誌が、国産ではなく、LUUPを導入した経緯や情報流出の恐れはないのかなどについて防衛省に見解を求めると、同省報道室は文書でこう回答した。
《まず、防衛省では市ケ谷特有の広さや、国会や官邸から離れている立地などに伴う職員の負担があります。職員の負担を軽減し、業務効率を上げるためにも様々な取組を試行中です。
今回のモビリティの導入はその一環で、導入に当たっては今回の業務を適切に履行できる事業者であることを確認した上で、関係法令及び調達手続きに基づき契約しております。
防衛省において、導入する物品や役務の特性や必要性に応じて、情報保全のための措置を講じています。電動キックボードのようなサービスでは、位置情報等のデータを取り扱いますが、こうしたデータだけで情報保全上の問題が生ずるとは考えていません》
また、Luup社の広報にも同様の質問を送ったところ、文書でこう回答した。
《個別の契約についての回答は差し控えさせていただきます。Luup社では、利用者の位置情報について厳格な管理体制の下で取り扱っております。情報は業務上必要な範囲の従業員のみがアクセス可能となっており、業務に関係のない従業員は閲覧できない仕組みとしております。また、車両の製造メーカーを含む、社外からの位置情報へのアクセスはできません》
最後に、小泉進次郎防衛相に事前にLUUP導入を把握していたかも含めて見解を求めたところ、小泉事務所は「防衛省から貴社への回答と同様です」と回答があった。
3日の会見で、小泉防衛相は「今回の業務を適切に履行できる事業者であることを確認した上で契約した」と説明し、「位置情報などのデータだけで情報保全上の問題が生ずると考えていない」と話した。
6月25日には、日本経済新聞に《陸上自衛隊が2025年2月まで、中国系ウイルスに感染したUSBメモリーを機密システム端末で1年近く使い続けていた》と報じられたばかり。防衛省・自衛隊に対して、懸念の声があがるのも当然か。
画像ページ >【写真あり】「国産で代替品はなかったの」防衛省に導入されたLUUP(他1枚)
