「日本の尊厳と国益を護る会」の会見の様子(写真:共同通信) 画像を見る

自民党の保守系議員による議員連盟「日本の尊厳と国益を護る会」が今年7月、「皇室保護プロジェクトチーム(PT)」を設置した。

 

「毎日新聞が8月22日の朝刊に掲載した『不敬罪復活? 皇室守る法整備求める動き』という記事が波紋を呼んでいます。同記事では、PTの設置や、保守系の国会議員らが参加した民間団体の集会などの様子を紹介。現行法で『親告罪』になっている名誉毀損罪と侮辱罪について、天皇や皇族に限って『非親告罪』とする動きがあることを報じています。SNSなどでは《不敬罪の復活ではないか》などの声が出ています」(全国紙政治部記者)

 

「親告罪」とは被害者からの告訴がなければ検察が起訴することができない犯罪の種類のこと。仮に、名誉毀損罪や侮辱罪が非親告罪化すれば、警察や検察の裁量で逮捕や起訴することが可能になる。

 

「記事内で、『日本の尊厳と国益を護る会』の代表を務めている青山繁晴衆議院議員(74)のコメントが紹介されていますが、皇室典範改正で養子の対象となる旧11宮家の男系男子に対して『誹謗中傷の兆しが出ている』『きちんとお守りするよう政府と連携して具体的に考えるのが立法府の責任』と何らかの法規制を求めるような発言をしています」(前出・全国紙政治部記者)

 

もし、天皇や皇族に対する名誉毀損罪や侮辱罪が非親告罪となったらどうなるのか。弁護士で参議院議員の打越さく良氏(58・立憲民主党)はこう解説する。

 

「かつて、天皇や皇族などに対して『不敬とされる行為』をした人を処罰する『不敬罪』が存在しましたが、これは非親告罪でした。明治憲法下では、心の中で抱いた思いを吐露しただけで『不敬』とされ、処罰されたのです。

 

もし、非親告罪として法制化された場合、警察や検察が『これは問題だ』と判断すれば捜査・起訴できるようになることが問題です。政府の思惑で皇室典範や皇室制度の議論が進められ、国民が違和感を口にしたとき、国家が『不敬』とみなせば逮捕される恐れが出てくる。そうなれば、国民は『政府には何も言わないほうがいい』と考えるようになって、声を上げづらくなってしまいます」

 

■国旗損壊罪が成立した中、絵空事とは思えない

 

不敬罪が廃止されたのは1947年と80年も前のこと。時代錯誤にも見えるこのような法律が復活することなどあるのだろうか。しかし、前出の打越議員は、「私は『そんな法律は成立しない』とは、まったく思いません」として、こう話す。

 

「現に政府与党は、国旗損壊罪も副首都法も、数の力であっさり通してしまいました。野党に反対意見があっても、世論が反対しなければ容易に採決できる現在の与党には『非親告罪としての成立』も難しいことではないと思われます。

 

もし、野党が非親告罪化に反対したり、国民のみなさんが『おかしい』と思ったとき『では、あなたは天皇や皇族の悪口を言いたいのですか?』などと論点をずらされてしまう恐れもある。『天皇・皇族は敬うべき存在だ』という道徳的感情だけが強調されれば、国民の中で『それなら非親告罪化も仕方ないのか』という空気が広がってしまうかもしれない。そこが非常に心配です」

 

では、実際に、同PTではどんな議論をし、どんな法案を作成しようとしているのか?青山繁晴衆議院議員事務所に問い合わせると「日本の尊厳と国益を護る会・皇室保護PT」として、次のように文書で回答した。

 

《現時点で、皇室保護PTとして具体的な法案を作成することを決定している事実はありません。まず、有識者や各省庁からヒアリングを行い、SNS上の虚偽情報、名誉・プライバシー侵害、なりすまし、悪質なAI生成・加工画像等について、現行制度で何ができ、何ができないのかを整理する段階です》

 

また「不敬罪の復活への懸念」については、次のように回答した。

 

《不敬罪の復活をめざしているものではありません。皇室制度について国民が自由に議論・批判することと、皇族方を違法な権利侵害や危害から守ることは、明確に区別して考えるべきです。非親告罪化を含め、特定の法制についてPTとして結論を出している事実もありません。

 

皇室制度、皇位継承、公務等について国民が自由に意見を述べ、議論や批判を行うことは、民主主義社会において当然保障されるべきものです。他方で、皇族方に対する明白な虚偽情報、名誉やプライバシーの侵害、脅迫、なりすまし等は別の問題と考えており、こうした点について今後、PTにおいて議論を深めていきたいと考えております》

 

画像ページ >【写真あり】国会での打越さく良議員(他24枚)

出典元:

WEB女性自身

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