「いまだに“『人間・失格』の人だ”と、名前や役名ではなく、作品名で呼ばれることがあるんです。多くの人に見てもらい、黒田勇樹を知ってもらったので、『人間・合格だよ』って答えるようにしています」
こう語るのは、黒田勇樹さん(44)だ。同作品に出演したのは、まだ小学6年生のときだったという。
「オーディションでは、KinKi Kidsの2人と並べられ、野島(伸司)さんに『コイツだね』と選んでもらいました。キンキの2人は年上で、すごく優しくて。光一くんはストイックだから、よく練習に付き合ってくれたし、剛くんは、キャスター付きの椅子にボクを乗せて思い切りTBSの廊下を走り抜けたりして、遊んでくれました」
堂本剛演じる少年を徹底的にいじめる同級生の役。
「いじめは絶対によくないという思いがあったから、“いじめる側にも理由がある”なんて受け取られたくなくて、とことん悪役に徹しようと、小学生ながらに考えていました。役のイメージがあるため、同時期にあった子供向け番組の出演依頼も断っていたくらい」
そのため、テレビ局には黒田さん宛てに、カミソリ入りの手紙が届くこともあったという。
「ボクは役に合わせて髪形を変えられるように、長髪のままオーディションに臨んだんです。その髪形を野島さんが気に入ってくれたから長髪の陰湿なキャラという印象が定着しました。そのおかげで、同様の役を別の俳優が演じても『あれ、黒田くんだったよね』と間違われたことも」
“黒田=嫌なやつ”という印象があまりに強かったのだ。
「ドラマの撮影に行くとき、渋谷で女子高生にサインを求められたんです。断るのもよくないと思って、人通りが少ない物陰に移動すると、女子高生は感激の涙を流してくれたのですが、近くにいた通行人は『黒田が女の子を泣かせている』と勘違いして……。渋谷警察署に呼ばれたうえに、あることないことを週刊誌にも書かれてしまいました(笑)」
視聴者に強烈な印象を与えたことで、その後、野島作品である『ひとつ屋根の下2』にも出演した。
「じつは最近、ボクが演出する舞台を野島さんが見にきてくれて、爆笑してくださいました。20年ぶりくらいに再会しましたが『変わんねえな』と声をかけてくださり、たまにお電話をいただくように。ボクにとって『人間・失格』は、こんな貴重な機会も得られる作品だったんです」
『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系、1994年)
名門私立中学校に転入した誠(堂本剛)は壮絶ないじめの末、校舎から飛び降り死んでしまう。父の衛(赤井英和)はいじめの犯人へ復讐を……。無名のころのKinKi Kids(現DOMOTO)の2人が共演するレアな作品が、見返すには内容が重すぎる!
【PROFILE】
くろだ・ゆうき
1982年生まれ、東京都出身。0歳から赤ちゃんモデルとして活動し、数多くのドラマ・映画に出演。脚本・演出する舞台、三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.22「SHINKYO QUEST」を9月13日まで上演中。
画像ページ >【写真あり】堂本剛、堂本光一『人間・失格』出演時の初々しい姿(他1枚)
