9月16日、高市早苗首相が、自民党の役員人事をおこなった。10月上旬にも召集する秋の臨時国会への対応で、この後、内閣改造もおこなわれる予定だ。
「とはいえ、党三役から外れるのは総務会長の有村治子(はるこ)さんだけ。高市さんが希望していたとされる幹事長代理の萩生田光一さんの幹事長起用もなし。入閣が予想されていた選対本部長の西村康稔(やすとし)さん、広報本部長の鈴木貴子さんは留任する見込みです。
目を引く人事は石井準一さんから青木一彦さんに交代する参議院幹事長くらい。高市さんは、先の国会で補正予算を組まざるをえないような審議日程になったのは石井さんの責任が大きいと考えているようです。参院幹事長は国対経験が必須とされているポストですが、青木さんは未経験です。石井さんを外したい高市さんに、参議院自民党側が “忖度した結果”といえます。さらにいえば、参議院政策審議会長は高市さんとは明らかに“不仲”の末松信介さん。参議院の松山政司参院会長が『参議院自民党の独自性を持った人事だ』と強調するように、必ずしも高市さんの思惑通りに人事がなされたわけではないようです」(全国紙政治部記者)
そして今、なぜか内閣の要である官房長官の木原稔氏のある発言が物議を醸している。
「なんと岸田(元)総理も出されたんですね。総理大臣をやったあと、何をやりたいと言うのかな」
9月10日、木原氏は、都内でおこなわれた「内外情勢調査会」の講演でこう語ったというのだ。言及したのは、自民党の鈴木俊一幹事長が実施した、当選2回以上の衆院議員に対する内閣改造と党役員人事に関する役職希望アンケート。岸田文雄元首相も回答を提出したことに触れ、聴衆の笑いを誘うようにこう語ったというのだ。
「そもそも、このアンケートは、裏金問題で麻生派以外の派閥が解散し、派閥のトップが首相に議員を“推薦”することがなくなったため、当選回数の少ない議員が高市首相にアピールする機会としておこなったわけです。そのため、首相経験者の岸田氏が今さら何を求めるのか、とウケ狙いでいじったワケです。メディア主催の会員制の講演ということもありましたから」(前出・全国紙政治部記者)
ところが、講演翌日、新聞各紙が『木原官房長官が岸田元首相に謝罪』と報じた。朝日新聞のWEB版によると、「岸田氏側は、党の催促を受けて白紙で提出していた。『木原氏はそもそも、なんでアンケートに言及し、岸田氏の名前を出したのかわからない』と話している」という。木原氏の発言に岸田元首相が激怒し、木原氏は謝ったというわけだが、じつは、この2人には“因縁”がある。
「木原氏は防衛相だった2023年10月、衆院長崎4区補欠選挙の応援演説で、『(自民党候補を)しっかり応援していただくことが、自衛隊ならびにその家族のご苦労に報いることになる』と発言したんです。これが『自衛隊の政治利用ではないか』と批判され、発言を撤回しています。この時の首相が岸田氏でした。岸田氏は任命責任を認めた上で、陳謝。木原氏は辞任を免れました」
そもそも、岸田元首相は温厚な人柄で知られ、ほかの議員のありようで感情的になることはまずないという。木原氏と同じ旧茂木派の議員がこう話す。
「木原さんは党内では、『まあまあの右翼』という評価です。そのあたりが高市さんと気が合うんでしょう。高市さんから、キハラッチと呼ばれているそうで、高市さんが愛称で呼ぶ数少ない議員です。今回の組閣にも木原さんが何かと口を出しているようで、それが軽口に繋がったとさえ党内では言われています。もともと孤立しやすい高市さんの側近ということで、最近はいわば側用人のようになっています。党内からすら、明らかに増長している、天狗になっているという声はありますよ」
軽はずみな一言が政権を揺るがす原因となるかもしれない。
画像ページ >【写真あり】高市首相が目を見開き…困惑集める5年前の“異様な動画”(他4枚)
