「首相の予算委員会を含む各委員会への出席は、原則不要にすべき」
民間シンクタンク「NXJIリサーチ」は、「首相の時間の使い方」と題するリポートのなかで、国会運営を見直し、「首相は首脳外交や重要な政治判断など首相にしか対応できない事案へと時間を振り向けるべき」と、大胆な提言をすることがわかった。9月22日、日本経済新聞などが伝えている。
「このシンクタンクは、病気療養のため2024年10月の衆院選に出馬しなかった、自民党の小倉将信元内閣府特命担当相が所長を務めています。
これまでも与党内では、『首相が長時間、国会審議で拘束されるのはいかがなものか』という議論があり、見直しの必要性が訴えられていました。高市早苗首相自身も、議院運営委員長だった2018年、国会改革の『私案』を発表し、このことも俎上に上げていました。
法案は、首相が出席しないと採決できないわけではありませんが、野党からは、たびたび『首相の出席を強く求める』と、審議拒否も辞さない申し出があるため、与党も首相の出席を承諾せざるをえないのです」(政治担当記者)
この報道に、9月の自民党役員人事で国対委員長に抜擢された村井英樹衆院議員が反応。9月23日、自身のXに日本経済新聞の報道を引用したところ、《担当部門がやれば良い事 その為の大臣》と賛同する意見も寄せられたが、多くは《国会の議論が軽くなる》《ただ追及から逃がしたいだけ》など批判の意見だった。自民党関係者がこう語る。
「批判も仕方ないところです。というのも、高市首相は、進めている政策の説明や自身の考え、頻発する災害発生状況や被災地へのお見舞いなどを、SNSで発信することが多いからです。
8月には、物価高対策について、読むのが疲れるほどの長文を1日に5連投して話題になりました。国民はもちろん、報道各社からも、会見の開催を求める声は高まっていますが、長いときは3カ月半も会見をしなかったことがあります。
こうしたことから、今回の提言が実現すれば、ますます国民に直接語りかける機会が少なくなると予想され、国民には不満が溜まっているのです」(自民党関係者)
首相が熊本地震の被災地を視察した際、動画をBGMで演出してXに投稿し、「PR動画のようだ」と批判されたことは記憶に新しい。今回の提言を、政治アナリストの伊藤惇夫氏は厳しく批判する。
「日本の国会は『熟議の場』とも言われ、各委員会で議論を積み上げ、本会議で採決する『委員会中心主義』です。高市首相はその委員会にあまり出席せず、SNSという一方通行のツールでアピールを続けています。国権の最高機関の上にSNSがあるという、『国会軽視』の信じられない状況が続いています。
さらにいえば、『外交に専念』とありますが、高市首相がアメリカなどの同盟国以外と積極的に外交をしているのか疑問です。たとえば、ご自身の『台湾有事は日本の存立危機事態になりうる』という発言で悪化した中国との外交も、アメリカ頼みですから」
時の政権に都合のいい「国会改革」だったら、必要ない。
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