「高市首相はテレビのインタビューで、食料品の消費税率が現行の8パーセントから1パーセントに引き下げられたとき、それ以前と同じ値段で売っているお店があったら『その店の風評に関わる』と発言しました。この発言にSNSでも多くの批判が集まりましたが、一国の総理大臣の発言としては、非常に大きな問題だと私も思います」
こう話すのは、前岩手県陸前高田市長の戸羽太氏(61)だ。
10月5日に開会した今臨時国会では「飲食料品の消費税減税法案」の議論が焦点になるとみられている。
高市内閣は2027年4月から2年間限定で食料品の消費税を「8パーセントから1パーセントへ減税する」方針を閣議決定しており、10月1日の日本テレビによるインタビューで高市早苗首相(65)は「今日から消費税率が引き下げられましたという時に、同じ飲食料品を昨日と同じ値段で売っているお店があったら、その店の風評にも関わります」と発言している。戸羽氏はこう指摘する。
「この消費税減税法案は、現在は閣議決定された政府案の段階です。それが可決・成立し、来年4月に施行された場合を想定して、『決定は絶対で、それに従わないお店は信用にかかわる』つまり『あなたのお店は評判が悪くなるわよ』と言っているようなもので、まさに『値下げ強要』、恫喝や脅迫に近いものがあります」
ここ数年、燃料費や人件費の高騰、円安などさまざまな影響で物価が高騰している。私たち消費者も、スーパーなどの小売店の店頭で「また値上げか!」とため息が出る思いを何度もしてきた。
スーパーや近所の青果店など、仕入れ値の高騰にもかかわらず、極力値上げしないようにと努力しているお店も多いはずだ。戸羽氏は「そんな現実がまったく理解できていないのが高市首相だと思います」と指摘する。
「大手メーカー品のように、定価がハッキリしているものは、基準があるから価格の上下の判断はしやすい。しかし、地方の商店街の小さなお店などは違うんです。仕入れ値はお客には見えないなかで、価格を据え置きできるように必死になって値段設定しています。
というのは、たとえば900円のラーメンを、1,000円に値上げした瞬間、お客さんが逃げてしまうと思うから、中小企業の経営者や個人店の店主は安易に価格を上げられません。高市首相は、日本のトップでありながら、なぜそういう現場の苦しみが理解できないのか、単純に疑問ですね」
