政府側の説明に疑問を持っている辻元議員(撮影:長谷川新) 画像を見る

「アメリカのトランプ大統領やカナダのカーニー首相は、現地時間で午前8時30分開始だったんです。(それぞれの国で)4時ぐらいから調整して、8時半には出席しているんですよ。それほど各国が重要な会議と位置付けている証拠。 それなのに日本は、高市首相が公邸、茂木大臣が宿舎にいたのに出なかったんです。外交の大失態ではないかと」

 

立憲民主党の辻元清美参議院議員(66)は10月27日午後の参議院外交防衛委員会で、高市内閣の対応を厳しく追及した。

 

問題視されたのは、10月2日21時30分から開催された主要7カ国(G7)オンライン首脳会議をめぐる対応である。歴代首相が最優先で臨んできた場にもかかわらず、高市早苗首相(65)は公邸にいながら欠席。茂木敏充外務大臣(71)も宿舎にいながら代理出席せず、参加したのは米国滞在中の外務省・遠藤和也外務審議官(59)のみだった。

 

27日の委員会終了直後、辻元議員は本誌の単独インタビューに応じた。

 

「委員会で、真相をしっかり究明しようと思ったのですが、新たに多くの矛盾が露呈しましたね。 『議長国が急に言ってきたから出られなかった』と弁明してきましたが、トランプ大統領たちは現地時間の朝8時半にスタンバイして参加しているわけです。 フランスは一定の余裕をもって各国と調整していたはずで、直前だから出席できなかったというのは、まったく言い訳になりません」

 

■「酒に酔ってドタキャンしたなら説明がつく」

 

同委員会で、辻元議員は、日本時間17時7分にロイター(英語版)が「フランスがG7首脳会議を開催予定」と報じていた事実を提示。さらに、冒頭のように、米国のドナルド・トランプ大統領(80)ら各国首脳が勢ぞろいしていた点を挙げ、日本の不手際を指摘した。

 

これに対し、茂木大臣は、30分という限られた時間のなかで主催国以外の国の割り当てが「1回限りの発言になる」見込みだったとして、参加の要不要を「総合的に判断した」と釈明したのだ。

 

しかし、高市首相は以前の国会答弁で「回線の接続設定のための事業者を呼ばなければなりません。それにはもう時間が間に合わないということでありました」と機材設定の遅れを理由に挙げており、首相と外相で説明の食い違いが露呈。

 

そこで辻元議員が公邸のリモート設備の詳細を問うと、中西祐介内閣官房副長官(47)は「詳細については外交および情報セキュリティの観点から差し控えさせていただきたい」と繰り返すにとどまった。

 

外務省はかたくなに「1回限りの発言になる」からという理由で押し通そうとしたが、辻元議員に何度も質問され、逃げ切れず「官邸の設備の準備状況」が原因のひとつと認めた。さらに「官邸の責任者は?」と問われた中西官房副長官は「当日は外務省が担当」と外務省に押しつけ返し、それを聞いた茂木外相が「官邸のディスプレイの問題まで承知していない」と吐き捨てた。

 

結局、事実はわからないままだ。

 

「今回の私の質疑、政府は警戒して綿密な準備をしていました。外務省が泥をかぶり切る作戦だったと思います。でも茂木さん、最後はキレていたんじゃないですかね。高市首相の『公邸でディスプレイの準備をしようとしたが、業者が間に合わなかった』という旨の説明が事実なら、事務方幹部が処分される案件です。唯一、説明に辻褄が合うのは、『高市首相が、公邸で麻生氏らとお酒を交えた宴会で羽目を外し、直前のG7会議をドタキャンしてしまった』という見方です。

 

茂木大臣も宿舎に帰っていて対応できず、ワシントンに待機していたシェルパ(総理補佐役)の審議官を急遽あてがった。そう考えれば、説明がつきます」

 

会議直前の18時30分から、高市首相出席のもと、公邸では自民党役員らとの会食が行われていた。ここで、高市首相が飲酒をしていた疑惑が出ている。

 

辻元議員の追及に対し、会席に出席した中西副長官は自身の飲酒を認めたものの、高市首相の飲酒については「承知しておりません」とあいまいに答弁。さらに中西副長官は、直後にG7会議が控えていた事実すら「承知をしておりませんでした」と証言したのだ。

 

■「官僚がトランプ大統領と渡り合えるのか?」

 

辻元議員は、外務官僚を代理に立てたことの危うさを改めて指摘する。

 

「首脳会談では何が起きるかわかりません。突発的な議論が始まった際、一国の代表として官僚が各国の首脳と対等に渡り合えるわけがない。トランプ大統領が早朝から出席したように、各国の首脳が出席したのは、短い時間であれ、そこに出席する重要性を理解していたからでしょう。

 

そこに、出席できる余裕があったはずの首相も外相も、なぜか欠席した。欠席理由の理解にこそ苦しみます。しかも、公邸の準備を取り仕切るべき官房副長官が、直前に公邸で酒を飲み、その後にG7会議があることすら知らなかったことを認めた。こんな無責任な政府でいいのでしょうか」

 

一方で、政府内でもG7に対する認識の違いがみられるという。以前、高市首相は「総理が出席するといった類のものではなく、代理出席でよしという話をまず受けました」と答弁したが、茂木大臣は「『出るような類』とは少なくとも私は申し上げておりません」と語っている。

 

辻元議員は、今回の委員会で議長国からの連絡時刻の時系列や、首相、外相の欠席理由に関する統一見解の提出を求めた。国際社会における日本の信用を揺るがしかねない重大問題として、追及の手を緩める気はない。

 

「誰も責任を取らず、お互いに責任をなすりつける高市政権の姿勢は、外交的にも危機管理上も失格です。 どっちが嘘をついているのか、次回の外交防衛委員会でも、徹底的に事実を追及していきます」

 

画像ページ >【写真あり】3月11日の深夜に行われたG7の会議ではオンラインシステムは作動していたが(他1枚)

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー: