「維新はもう必要ないんです。今回の31議席削減案は、自民党の麻生太郎副総裁(86)による『維新外し』だと私は見ています」
こう語るのは、元朝日新聞記者で、政治ジャーナリストの鮫島浩氏だ。
10月22日、自民党は衆院議員定数を比例区のみで31削減する“折衷案”を提示した。
「もともと自民党と日本維新の会は、連立合意書で衆院議員定数の“1割削減”を掲げ、45議席削減を目指していました。
ところが麻生派の鈴木馨祐議員(49)が各党意見の“折衷案”だとして31削減案を提示。その根拠を、2015年と2030年を比較した将来推計人口の減少率を根拠としていました」
国民民主党はこの折衷案に一定の理解を示しつつも、去年までの人口減少を参考に「19議席」削減とする案を示すなど、かけひきが続いていた。ところが28日、一転して国民民主党は、自民党の「31議席」削減案に賛成する方針を固めた。
翌29日には自民党、維新の会、国民民主党の幹事長らが会談。「31議席」削減案について正式な合意書を交わしている。
なぜ、削減する議席数が次々と変わり、各党の態度も変化しているのか。鮫島氏は、その背景に政党間の主導権争いがあると分析する。
「この政権では、ずっと高市早苗首相(65)と維新が組み、麻生氏は国民民主党と組んで、ふたりが主導権争いを続けてきたんです。
去年10月、国民民主党の玉木雄一郎代表(57)が連立入りを決断していれば、維新は連立入りしなかったと思います。ところが、連合との関係などから玉木氏が連立入りをためらっているうちに、維新が高市首相をつかんだ。それがそもそもの始まりです」
しかし、今年2月の衆院選で自民党が大勝したことで、状況は変わったという。
「衆議院では自民党だけで3分の2を超えています。一方、参議院では維新を加えても過半数に届かない。数の上では、維新はもう必要ないんです。
自民党内でも維新を嫌っている人は多い。麻生さんは維新を外して国民民主党を取り込みたい。今回の定数削減案は、そのための仕掛けだと思います」
