動画1:母と息子の再会

image オーストラリアで息子をWATCH LIST(※1)に載せている元夫が、息子の日本行きに同意してくれるのは、毎年12月から1月にかけての数週間だけだ。2009年12月13日、私たち親子は、息子のシドニーでの学校終了時より1週間早く成田に降り立った。息子は、1年ぶりの日本に大喜びだった。

私には、帰国を急ぎたい別の理由が、あった。母屋の2階に住んでいる妹との電話で母が、妹を母屋に一歩も入れさせないという<事件>があったからだ。実は、私には、何となく予測がつき、そんなには、驚かなかった。母と妹の相性は、妹が子供の頃からあまりよくなかった。遂に母は、そんな自分の思いを行動で示してしまったのか、と。

それでも、私は、母がもうすぐ息子に背を追い抜かれる、という事実に不快感を率直に表したことにややたじろいだ。息子も同じ思いだったんだろう、ちょっと困り、そばで白版に落書きをしていたイトコに話しかけて話題を上手に変えた。

image そんな母は、12月から1月にかけて一生懸命孫たちと過ごし、お習字を教え、祖母としての大役を果たし終えた。でも疲労困憊は、隠しようもなかった。息子は、息子で、母と過ごした数週間は、楽しかったが、母の<何か>が、一刻一刻変わっていくことに気が付いたんだと思う。

※注1: Watch List:国際的な子の奪取の民事面に関する条約。元夫が、シドニーで家庭裁判所を通して申請し、息子の名前が、WATCH LISTに記載されたのは、日本がこの条約に同意していない為で、オーストラリアでは、申請のあった子供の名前をWATCH LISTに記載し、その子供が18歳までは不法に国外から連れ出されないよう警戒している。

 

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