【動画13】認知症の母〜すべては忘却のかなた
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母は、十数年ぶりに美容院に行くことに躊躇しながら、暑苦しく伸びて来た自分の髪の毛に苛立ってもいた。5月なのに、初夏の気温が数回あったので、尚更だった。
私も一緒に髪の毛を切るのなら、という約条件で母は、美容院に行くことに同意してくれた。初めて私と<何か>を一緒にしたい、という意思表示をした母だった。それなのに、私は、撮影をしたいので、そんな母との約束を最初から果たすつもりはなかった!
母には、全く見えていない監督の部分の私の思惑であり、私は、いつもこの映画のためにそんな思惑でいっぱいだ。
ただ、母は、そんな私の思惑をいつも見事に裏切る、一枚上手のスゴイ被写体であることも間違いない。
さて、美容院は、私の行きつけなので、母の髪の毛のカットの撮影が、スムーズに進行して行く。気が付いたことと言えば、母は、椅子に座っていても、シャンプー台でも、眠りこけていることぐらいだった。
このままでは、あっという間にカットが、終わってしまう!
焦った私は、母が、終盤のマッサージを気持ちよさそうに受けているのを見て、ファインダー越しに「よかったね〜若いお兄さんにやってもらって!」と問いかけてみた。
すると・・・いや、結末は、是非、動画を!
そして、母の日のプレゼントの髪の毛のカットや花束のことは、すべて忘却のかなたへと去っていった・・・
ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸
彼岸』一覧