斎藤芳乃(さいとう よしの)プロフィール
マリアージュカウンセラー。女性の恋愛・結婚の問題を解決する心の花嫁学校マリアージュスクール主宰。「自尊心」の大切さを訴え、潜在意識にある不幸の根本的な原因を見抜き、現実を変化させる心の専門家として活躍中。東京・大阪・名古屋で開催される講座には、7000人以上の女性が参加。北海道や沖縄のみならず海外からも受講者が訪れる。また個人セッションの申し込みは、予約受付開始から5分で満席となる人気ぶりを博している。著書に『一週間で自分に自信を持つ魔法のレッスン』(SBクリエイティブ)、『運命の人と結婚する方法はシンデレラが教えてくれた』(マガジンハウス)。著者公式ブログにて、クライアントの実際の体験談や、潜在意識の書き換え方を日々更新中。9月に新刊『恋愛レッスン~永遠の絆のつくりかた』(SBクリエイティブ)を上梓した。
■なぜ、自分には何の問題もないのに幸せを手に入れられないのか
こんにちは。
マリアージュカウンセラーの斎藤芳乃です。
男性との間に幸せな関係を築く上で、とても重要なのが「自分自身に幸せを許可する」ことです。
「幸せになりたい」と強く願っている人でも、カウンセリングをしてみると、実際には心の中で幸せを拒否してしまっていた、ということが少なくないのです。
クライアントS子さん(30代)もその一人でした。
S子さんは、それまで男性とお付き合いすることはできても、なぜかプロポーズされない、という現実に直面してきました。
とても慎重に相手を選んで結婚を前提にお付き合いを始めた。でも、途中で関係がおかしくなったり、また彼が海外転勤を命じられるなど、良い人と出会ってもやがて別れるということを繰り返してきたのです。
S子さんに特別悪い部分があるわけではありません。しっかりとした会社に勤めて生活能力もあり、かつ人当たりも良く、容姿も声をかけられるほど綺麗です。
それなのになぜ、S子さんはいつまでも結婚という幸せを手に入れられなかったのでしょうか?
■幸せになる罪悪感があると、人は自ら幸せを遠ざける
実は、S子さんには、ある心理的な問題が隠されていました。
それは「幸せになることへの罪悪感」です。
S子さんは自分が心から幸せになることを願っていると信じていましたし、そのための行動も起こしていました。
けれども実際には、S子さんの深層心理には、「自分は幸せになってはいけない人間だ」という、幸せへの強い罪悪感があったのです。
S子さんは子供時代、一般的なサラリーマン家庭で育ちました。
特に虐待やネグレクト(育児放棄)などがあったわけでもありませんし、父親が浮気性で家に帰らない…ということがあったわけでもありません。
高校・大学は私立の希望校に通わせてもらうほど、経済的にも恵まれていました。
ごくごく普通の幸せな家庭だと思っていたのです。
けれど、その幸せの皮も、一枚めくってみれば、母親の不満が残り火のようにくすぶっているのが分かりました。
S子さんの母親は専業主婦でしたが、結婚前は仕事をしていました。
それが、子供を産むならずっと妻には家にいてほしいという夫からの要望で、勤めていた会社をやめ、家庭に入ったのです。
母親の仕事は保険会社の営業でした。
元来、人と接することが好きで、営業成績も良かった母親は、大変な時があっても仕事が天職だと感じていたのです。
そのため、家にこもって誰とも接しない、今までと180度違う専業主婦という生活になかなかなじめず、以前の生活に戻りたい…と、いつも口にしていました。
「あのときはあんなに幸せだった」「やりたいことができるっていいわね」
――S子さんが成長するにつれ、母親はS子さんに愚痴をこぼすようになりました。
それは決して、激しい嫉妬や嫌味などではありません。ただ、S子さんが部活や友達との遊びに活き活きしてくるようになると、母親の悲しそうな顔やため息が多くなってきたのです。
こうして、S子さんはだんだんと母親に気を遣うようになっていきました。
同時に、「私が幸せにしていると、お母さんはため息をつく」「私だけが幸せになってはいけないのかもしれない」と思うようになっていったのです。
■親が幸せでないと、子供は自動的に幸せを諦めるようになる
このS子さんのパターンのように、子供は親の精神状態に多大な影響を受けます。
親が情緒不安定だったり、育児放棄をしたりということはなかったとしても、ちょっとしたため息や嫌味めいた愚痴、羨ましいという感情を向けられると、それにたいして必要以上の罪悪感を抱いてしまうようになるのです。
特に、親が「自分は幸せではない」といったニュアンスのことを口にすると、子供はそれに対して責任を感じるようになります。
「どうして人生こんなんだろう」「私だって芸能人みたいに贅沢したいわ」「あの奥さんは○○なのよ、いいわね」といった、親自身の人生に対する不満を、自分のせいだと受け止めてしまうんですね。
そしてその結果、
○親が幸せではないから、私も幸せになってはいけないんだ
○私だけが幸せになったら、親を置いていってしまう
○かわいそうな親を優先しなければならない
○自分のことよりも先に、私が親を幸せにすべきだ
というように、「自分の幸せよりも親の幸せ」を優先するようになるのです。
特に怖いのは、このような思い込みが、何年、何十年にもわたる親との生活の中で創りあげられてしまうというところです。自分でも意識しないうちに、いつのまにかこうした刷り込みがなされていくんですね。
そして大人になってからは、頭では幸せになりたいと思っているし、幸せになるための努力もしているけれど、その努力を裏切るように不幸な現実を招いてしまいます。こうして、努力しても努力してもなぜか現実が好転しない…という苦しみにさいなまれ続けるのです。
これほどまでに、親の態度によって刷り込まれた罪悪感は、私たちの人生を大きく変えてしまうものなのです。
■幸せへの罪悪感を取り払う方法
あなたの心の奥底にこうした罪悪感が秘められていたとしても、心配する必要はありません。
罪悪感を取り払って、幸せになる方法は存在するからです。
それは、
○自分だけが幸せになるのではなく、「親を引き上げる役割」になる
ことです。
自分が幸せになることを願うのと同時に、親にも幸せになる方法を教えてあげたり、親の意識を引き上げ、親自身が幸せになるのを許してあげる役割を担うのです。
親自身が、幸せになる方法を知らなかったり、人生の中で誰かに自由を奪われたという経験があるため、「幸せになりたいけれど、誰も幸せになっていいよと言ってくれない」というフラストレーションを溜めている場合が結構あります。
そんな親に対しては、あなた自身が親の気持ちを理解した上で、親に幸せを許可する役割になってあげるんですね。
「お母さんも、もっと自分のやりたいことしていいんだよ」
「もっと自分を大切にしてね、私のことはもう心配しないでいいから」
「たまには家のこと忘れて自由に遊んできてね」
というようにです。
親が旅行に行きたいと言うなら、旅費を出してあげたり、旅先の情報を調べてあげるというような、ちょっとした援助でもいいでしょう。
その場合、「自分が親を幸せにしてあげなきゃ」という犠牲的なスタンスではなく、「親に幸せになるための方法を教えてあげる」というサポーター的スタンスが大事です。
そういうスタンスでいれば、親の存在を背負いすぎることなく、親の幸せに貢献できるようになります。
そして「親も幸せになってくれたし、私ももう親に縛られなくていいよね」と考えられるようになっていくのです。
親に幸せへの許可を出すことで、自分自身も幸せになることを許せるんですね。
S子さんの場合も、母親に対して、この方法を実行してみました。
「私はもう大人だから、お母さんやりたいことしていいんだよ、働いてもいいし」「たまに家事などは手伝いに行くから、普段のこと忘れて好きなことしたら」とアドバイスして、「母親が幸せになるためのサポート役」になるよう心がけたのです。
すると、今まで過去に縛られ、何も行動できなかった母親に、自由に旅行に出かけたり、好きなアーティストのコンサートに行くといった変化が生まれました。
やがて、営業の仕事は無理でも、知り合いの会社を手伝うという名目で働きに出るようになったのです。
S子さんの目には、やりたいことができ、自分の能力に自信を持って社会に貢献している母親の姿は、まるで生き返ったように活き活きとして映りました。
そんな母親に感化されたのか、S子さん自身も、彼女のことを心から愛してくれる誠実な男性と巡り会い、2ヶ月もしないうちに婚約、1年後に結婚なさったのです。
いかがでしたか?
幸せになるための努力が空回りしている時、ひょっとしたらS子さんのように、他の誰かの責任をあなた自身が背負ってしまっているのかもしれません。
けれど、どんなに変わらないと思えるような現実も、心の仕組みを理解すれば、あっという間に変えることはできるのです。
たった一度の人生。あなたがあなた自身の幸せを第一に考えられるように、背負ってしまった心の重荷を少しずつ下ろしてあげてくださいね。
『恋愛レッスン~永遠の絆のつくりかた』
・価格:1,404円(税込)1,300円(税抜)
・発売日:2014年09月29日頃
・出版社:SBクリエイティブ
・サイズ:単行本
・ページ数:223p
・ISBNコード:9784797380200
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